ポタリングの魅力
休日の朝、目覚めるとまず窓を開け、空の様子を見る。きょうは輪行(りんこう)日和だろうか。自転車を折り畳んでバッグに収め、目的地まで電車で行き、自転車を組み立てぶらりぶらり乗る。自転車版の散歩、ポタリングだ。この時季は格別に気持ちがいい。散歩との違いは、行動範囲の広さと疲れにくさ。千住や浅草、神田など東京の下町に出向くことが多い▼毎週というわけにはいかないので、自転車の折り畳みと組み立てがなかなか上手にならない。けれども、そのもどかしさも楽しみのうち。歩道をゆっくり進み、気になるものが目に入ったら片足をついて止まり、カメラでパシャリ、ボイスメモにひとこと▼自転車専用レーンが最近は増えてきた。そのせいかどうか、ポタリストの数も増加中だという。たまには、ちょっとスピードオーバー、よそ見しすぎの同好の士に出合う。危ないよと一度だけ注意したことがある。先方は「気づきませんでした」と素直に謝った。当事者は危険を過小評価するものらしい▼週初めの日曜。晴天、風もなく絶好の日和だった。自転車バッグを担いで電車に乗り、新宿から一つ目の私鉄駅へ。昔住んでいた街を、記憶と二重映しにしながらぶらつく。お世話になった銭湯がまだあった。路地の道端に燃えるように紅いつつじが咲いていた。