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2012年04月23日 前へ 前へ次へ 次へ

再評価したい廃プラ発電の有用性

 原子力発電の依存度を下げるために、液化天然ガス(LNG)や再生可能エネルギーへの転換が迫られている。廃棄物発電も有力な代替エネルギーであり、バイオマス発電への期待が高まっているが、エネルギーソースとしてもっと評価されるべきは廃プラスチックだ。容器包装リサイクル法の見直しに加えて、廃棄物発電の一つとして普及支援策に取り組んでほしい。
 廃棄物発電はエネルギーの安定供給、環境対策に貢献する未利用エネルギーとして注目され、これまで何度か導入目標が策定されたが、いずれも未達に終わっている。最近では2008年に廃棄物焼却施設の総発電能力を、07年度の160万キロワット程度から12年に250万キロワットとする目標が閣議決定されたが、09年度末の能力は167万キロワットと伸び悩んでいる。全国の都市ごみ焼却炉で発電設備を設置しているのは4分の1程度の約300施設にとどまり、しかも平均発電効率は11%台で、20%以上の発電効率をクリアした施設は12というのが現状のようだ。
 廃棄物発電による余剰電力は、RPS制度に基づいて電力会社に販売してきたが、あくまでバイオマス相当分に限定されている。廃棄物中のプラスチック類は化石燃料由来として対象から外されてきた。また、今年7月に施行される再生可能エネルギー電力の固定買い取り制度でも木材チップなどバイオマス由来燃料は対象になるが、廃プラ燃料は除外される。
 ただ原発依存からの脱却を進めるため、LNGを含む化石燃料へ過度に転換することはリスクが大きい。再生可能エネ普及の重要性は論を待たないが、多様なソースを模索し電源の分散化を図る必要がある。この一環に廃プラをエネルギーソースとして活用する意義を認めるべきだ。発熱量は他のバイオマスの約2倍と高く、都市ごみに加えて産業廃棄物として排出される廃プラの総量は年間1000万トン程度と安定供給も見込める。
 これまで廃プラのエネルギー利用が進まなかった一因は、容器包装リサイクル法においてサーマルリサイクルをマテリアルおよびケミカルリサイクルの補完的役わりに位置付け、実質的に禁止してきた歴史がある。この理由は廃プラを焼却するとCO2が発生するためだ。
 原発事故を契機にエネルギーを取り巻く環境は様変わりしている。当面、原発抜きに経済活動や日常生活を行うことは非現実的で、過激な脱原発は戒める必要があるが、多様な手段を講じて電力の安定供給を実現しなくてはならない。また消費地立地型発電の重要性も高まっており、廃棄物発電はその一翼を担うことは間違いない。


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