ニュースヘッドライン記事詳細

2012年04月18日 前へ 前へ次へ 次へ

日米をつなぐ桜とハナミズキ

 ハナミズキが薄紅色の花をちらほらとつけ始めた。葉桜になったソメイヨシノは何とも言えず物悲しいが、清々しい新緑の季節に向けて選手交代である。花の時期が長いので、5月中旬頃までは見ることができ、秋には紅葉も楽しめる▼今年は米国への桜の寄贈から百周年に当たる。1912年に当時の東京市長だった尾崎行雄が首都ワシントンに苗木を贈り、その返礼として1915年に北米原産のハナミズキが渡来した。花言葉は「返礼」「私の思いを受けてください」であり、洒落ている▼今では、街路樹や庭木として日本全国に広く普及しているハナミズキだが、日米開戦時には敵国の樹とみなされて引き抜かれるなど迫害を受けた。桜も同じような目にあったと聞く。「坊主憎けりゃ袈裟まで憎い」の類だろうが、戦争とはそんなものなのだろう▼ワシントンのポトマック河畔の桜並木では、毎年春に盛大な桜祭りが催される。米国人が桜を、日本人がハナミズキを見て互いの国に思いを馳せれば両国の絆も強まるだろう▼一青窈(ひととよう)さんの歌「ハナミズキ」に「君と好きな人が百年続きますように」というフレーズがある。意味合いは違うだろうが、桜の寄贈二百周年も良好な関係で迎えたいものだ。互いが寄贈し合った樹を憎むようなことがあってはならない。


Copyright(c)2010 The Chemical Daily Co., Ltd.