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2012年04月16日 前へ 前へ次へ 次へ

重要性高まる中国人社員の研修支援

 昨年9月から、中国人観光客を対象とした個人観光ビザ発給の緩和効果もあり、日本を訪れる中国人観光客が東日本大震災前の水準に戻ったという。また、震災で帰国していた留学生など多くの中国人も、復旧が進むにともない、続々と日本へ戻り始めている。
 1999年1月から中国政府は、日本への中国人観光旅行を解禁した。それに呼応するように日本政府は、00年9月に中国人観光客(団体旅行)のビザ発給を開始する。09年には個人観光客のビザ発給も始まり、昨年個人ビザの緩和策に踏み切った。今や、世界的に有名な東京・秋葉原や大阪、京都をはじめ日本の観光地で中国人旅行者を見ることは、珍しくない光景となった。
 こうした中国人観光客の増加は、日本国内の商品・サービス需要の押し上げる効果にとどまらず、幅広い分野で経済効果を生み出している。観光立国も目指そうとしている日本政府としては、中国人観光客が東日本大震災前の水準に回復していることは明るい材料となろう。
 また、中国に進出している日系化学企業によると、「中国人現地社員の日本滞在ビザの申請も東日本大震災前の水準に戻りつつあり、今後さらに増加が予想される」という。
 こうした在中国日系企業からのビザ申請の目的は、日本の本社における研修や、生産現場での技術習得などが多い。日本と中国のビジネ関係者の往来を活発化することによる経済的効果も無視できないが、それ以上の波及効果が期待できる。中国で化学をはじめ日系企業に、自らの意思で就職した中国人社員は、すべてとは言えないものの、「日本企業で学びたい」、「日本が好きだから」という親日的な若い世代も多いことが特徴である。
 政府は、将来の日中間の架け橋となる人材交流の重要性をもっと認識してもらいたい。企業からマネジメント研修や技術習得を目的にしたビザ申請についても、これまで以上の支援策を講じる必要があるのではないだろうか。
 旅行など観光目的の訪日と異なり、日本に出張する日系企業の中国人社員は将来、日本を理解しながら中国事業を支える人材として期待されている。日本企業が中国事業戦略を推進するために不可欠であり、これらの人材の有無がビジネス成功を鍵を握る。
 このことは、政府が目指す日中の相互互恵関係につながる。今年は日中国交正常化40周年の節目の年、日系企業による技術支援や研修派遣のような積み重ねが日中関係の強化に求められることを指摘したい。


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