関東に到着した桜前線
最寄り駅までの通勤路の途中に、川沿いの桜並木がある。この季節には、周辺に住む人はもちろん、少し遠くからも花見客が訪れる。焼きそばやらクレープやらの屋台が立ち、仮設のトイレも設置されるからちょっとした名所と呼んでもよさそうだ▼春らしい陽射しに恵まれた6日の朝、咲きこぼれる桜を背景に記念写真を撮る親子連れに遭った。和服を着たお母さんと初々しく蝶ネクタイを結んだ男の子。小学校の入学式に向かうところだ。入学式には桜が似合うが、タイミングが合う地域は限られる▼3月21日に高知県に上陸した桜前線は、2週間ほどで関東に到着した。ここからさらに北上を続け、大型連休後半あたりに津軽海峡を渡る。例年、北海道で最も遅いのは東端の根室地方。当地の樹種はソメイヨシノではなく千島サクラ。開花宣言が5月20日を過ぎることもある▼震災発生の直後とあって、1年前の列島各地には自粛ムードが強かった。桜祭りなどのイベントはもとより、花見そのものを控えるケースも目立った。今年の花見は東北産の酒と肴で賑わうのだろうか▼去年の桜前線は3・11の爪痕が生々しいままに残り、災厄に苦しむ被災地を眼下に東北を北に上った。今年の桜前線の目に、1年を経過した現地の復旧・復興の進み具合はどう映るのだろうか。