変化に挑戦する経営を
旭化成前社長の蛭田史郎最高顧問は、変化に対応する経営として「防風林型」「パラグライダー型」「台風型」の3つがあるとする▼防風林型は事業環境の変化を避けようとするもので、安定しても成長しない。パラグライダー型は変化の波に乗り、台風型は変化の風を自ら起こす経営だ。リスクはあるが、成長するのは後の2タイプという▼この講演のタイトルは「変化を恐れるな」。蛭田さんの哲学は成長させる経営を選ぶ。旭化成は風に乗る経営が得意でリチウムイオン電池、電子コンパス、DFRなど電子製品急成長の風を利用した部材で実績がある。一方風を起こした日本発の成功例は、ソニーのウォークマンなど数多いと強調する▼21世紀を迎えて10年余。これだけの間に世界は揺れ動き、経営を取り巻く環境は様変わりした。日本型経営では国際競争に勝ち抜けないという認識も広がり、変革も強いられた。しかし2001年比で11年の実質GDPは6%しか増えていない。名目GDPとなると8%減少した▼GDPと企業業績を同じ土俵で評価することは無理があるとしても、日本の存在感は間違いなく低下している。変化が一段と加速するなかで、暴風が通り過ぎる待ちの経営では縮小するだけだ。変化に挑戦する経営、つらくともやり続ける以外の選択肢はない。