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2012年03月15日 前へ 前へ次へ 次へ

日印製薬産業、関係強化の課題 ランバクシーCEOに聞く

 日本独自の基準が足かせ 何が受け入れられるか、明確に
【デリー=赤羽環希】製薬産業において、日本とインドのビジネス交流を妨げるものは何かー。日本のジェネリック医薬品(後発薬)ニーズの拡大、インドの国際競争力の高まりなどを背景に双方の関心は高まっているとされるが、他の製造業と比べると現地での存在感はまだ小さい。インドの製薬輸出促進協議会(Pharmexcil)創設メンバーの一人である印ランバクシー・ラボラトリーズのアルン・サウニー最高経営責任者(CEO)兼マネージング・ディレクター(MD)に、日印製薬産業の交流をさらに深めていくための課題を聞いた。

 ー日印製薬産業で目に見えた投資関係がなかなか生まれないのはなぜでしょう。
 「徐々に進んでいくプロセスの一部だと思うが、印企業が日本でビジネスをするには、ハイスタンダードなだけでなく、欧米諸国と異なる基準が求められる。欧米ではほぼ共通した基準が適用されており、印企業もこれに合わせて海外進出を図ってきたが、日本では通用しないことがある。薬剤の有効性だけでなく『美しさ』も重視される。世界と異なる基準が求められることが、進出の足かせになっている」
 「日本企業にとってインドはオープンな市場になっているはずだ。ランバクシーが第一三共の傘下に入り、エーザイがインドに自社工場を設けた。武田薬品工業も事務所開設を計画していると聞く。日本企業のインドに対する強い関心が、少しずつ具体化している段階だと捉えている。自社拠点を設けてインドに進出する日系企業はさらに増えるだろう」
 
 ーインドの医薬品の価値を日本の医療従事者や患者に理解してもらうには何が必要でしょうか。
 「各社のビジネス戦略次第だろう。日本企業を買収して認知度を高める企業もあれば、提携先の日本名ブランドで製剤シェアを広げていく企業もある。大局的には、インドの製薬メーカーは世界の市場において主要なジェネリック・サプライヤーであるということ、世界で高まる後発薬ニーズを着実に獲得しているということを日本に伝える必要がある。日本側にも、こうした事実を認識し、理解を深める姿勢を持って欲しい。欧米は後発薬の普及率が高いが、品質に甘くはない。多くの先進国がインドからのバルクや製剤を受け入れているという事実を、日本も理解する必要があるだろう」
 
 ーバルク供給拠点として中国と度々比較されます。インドの競争力とは。
 「世界トップのAPI(医薬品原薬)サプライヤーは中国だと思う。次がインド。ただし先進国市場においてはインドが先を行っている。品質に対する認識は中国より高い。例えばランバクシーが1980年代から米国にAPIを輸出してきたように、印企業には先進国市場の薬事事情や品質基準を学んできた長い歴史と実績がある。途上国を中心に市場を開拓してきた中国に対し、インドは先進国市場で強みを発揮している」

 ー日印製薬産業がさらに活発な関係を育むには。
 「お互いの継続的な努力と、同等の積極的な意思があることが条件。印側にも課題はある。日本は決して印企業だけを差別しているわけではない。印製だから要らないと言っているわけではない。世界各国に対して日本独自の基準を求めているということを理解する必要がある。印企業としては日本に対し、何が日本にとって『アクセプタブル』なのかを明確にして欲しいと思っている。世界で受け入れられていることが日本でも認められれば、日印間のビジネス関係はさらに発展できるだろう」


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