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2012年02月17日 前へ 前へ次へ 次へ

JAL再生と製造業の苦難

 JALが見事なV字回復を遂げた。経営破綻、公的資金投入からわずか2年の再生は見事というほかない。不採算路線の廃止もあって、売上高は減ったにもかかわらず、黒字転換した最大の要因はコスト削減である▼人員削減にとどまらず、給与カットにも踏み切った。テレビ報道によると、修理で使う軍手の洗濯コストまで明示して社員の意識改革を図ったという。ただ、考えようによっては、膨れ上がった高コスト体質を徹底して見直し、削減策を遂行したともいえる▼製造業はそうではない。バブル崩壊、円高、国内市場の成熟、原油など原材料価格高騰、リーマンショック、そして現在の超円高と次から次へと襲いかかる嵐に、徹底したコスト削減を実施してきた。それでも乾いた雑巾を絞る作業を続けている▼この知恵とエネルギーを投入したコスト削減、企業体質改善に取り組んできた製造業に、さらなる重荷がのしかかる。原発を止めることによる電力料金の値上げだ▼昨年夏は国難ともいえる緊急事態に、あらゆる企業は迅速に節電対策を実施した。その過程のコストアップにも耐えた。このままでは、今年夏も節電が迫られ、追い打ちをかける電力値上げは、国内製造業の息の根を止めることだということを、この国の政府はどれほど真剣に考えているのだろうか。


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