結びつき強める中国と中東・メジャー
中国の石油化学投資に新たな動きが加わりそうだ。シェルが中国石油(CNPC)、カタール・ペトロリアム・インターナショナル(QPI)と共同で石油精製・石化統合型コンビナートの新設に乗り出す。立地は浙江省・台州。計画では年産2000万トンの石油精製設備と同120万トンのエチレンがプロジェクトの核となる。2015年までの第12次5カ年年計画後半の建設を目指している。
中国の石化投資は3つの段階を踏んできた。最初は中国石油と中国石化(SINOPEC)が海外から技術を導入し、外国のエンジ企業がフルターンキー方式でプラントを建設した。これで年産700万トンを超えるエチレン生産能力を持った。第2期が欧米外資との合弁による世界スケール設備の建設。00年代前半に集中、BASFが南京で中国石化と、BPが上海で中国石化と、シェルが広東省・恵州でCNOOCとそれぞれ組んで大型エチレンプラントを建設。これでエチレン生産能力は年1000万トンを超え、アジア最大のエチレン生産国となる。
この第2期で中国の石化産業はプラント建設技術を獲得、自前でプラント建設が可能になり現在の第3期につながる。
中国の石化需給は一貫して大幅な入超状態が続いてきた。とくに00年代に入っての急速な経済成長によってポリオレフィンなど誘導品の輸入によってまかなう形が続いている。このバランスは当面続くが、エネルギー戦略もからめて、石化事業を世界スケールで展開しようという新たな動きが加わっている。
それは、中東を軸とする産油国を巻き込んだプロジェクトだ。すでにこの方式では福建省・泉州の中国石化、エクソンモービル、アラムコの合弁事業があるが、エネルギー戦略を重視する中国では産油国や石油メジャーなど、原油・ガスにアクセスを持つ企業や国との結びつきを強め、この具体化の一つとして中国国内での精製・石化一体型のプロジェクトを進めようとしている。広東省では中国石化とクウェート国営石油が申請していた石油精製能力年1500万トン、エチレン同100万トンを中心とする計画が国家発展改革委員会から承認されている。
このほど浮上した中国石油とカタール、シェルが組んで建設する精製・石化一体型コンビナートプロジェクトはこれに続くものだ。石化産業の拡大は中国にとって不可欠の国家戦略だが、これにとどまらず、中国をグローバル事業拡大の核として捉える中東各国やメジャーと組むことで、原料の安定確保と競争力強化を同時に進める。中国の戦略は中長期的なアジアの石化産業に一段と影響を与えよう。