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2012年01月23日 前へ 前へ次へ 次へ

関西イノベーション総合特区に期待

 関西3府県(京都府、大阪府、兵庫県)と、京阪神の3政令市(京都市、大阪市、神戸市)が共同申請した関西イノベーション国際戦略総合特区が昨年末、第1次指定された。これからの成果が注目されるが、あくまでもスタートであり、どのように関西の産業競争力の強化に結びつけるかが重要だ。近いうちに国と地方の協議会が設置され新たな規制の特例措置などへの対応を経て総合特区計画が認定される運びで、産学官連携による市場創出や人材育成に加え、中小企業参入促進などにもつながることを期待したい。
 関西イノベーション特区は、わが国の成長を牽引し得る新エネルギーやバイオ・医療関連の世界屈指の産業の集積など、関西が有するイノベーションを生み出すポテンシャルを集中投資し、国際競争力を高めるもので、わが国のみならずアジアなどで課題となる高齢化やエネルギー問題に対応できる、課題解決型ビジネスの提供、市場展開を後押しする仕組みの構築にも取り組む。
 これによってスピード感をもって国内経済の再生と震災からの復興に貢献するとともに、わが国やアジアなどの医療問題や環境問題を克服し、持続的な発展に寄与する国際競争力拠点を形成していくという。
 特区は京都市内地区、けいはんな学研都市地区、北大阪地区、大阪駅周辺地区、夢洲・咲洲地区、神戸医療産業都市地区、播磨科学公園都市地区、関西国際空港地区、阪神港地区の9つが対象。オール関西で実用化・市場作りを目指したイノベーションを次々に創出する仕組み「イノベーション・プラットフォーム」を構築する。
 具体的には(1)シーズから事業化までのスピードアップの促進、高い性能を差別化に結び付けるための評価基準の確立と規格化、標準化の促進(2)先端技術分野における産学官連携の取り組み、ソリューション型ビジネスの促進とマーケットニーズに応じた戦略的な海外展開(3)イノベーションを担う人材の育成・創出、産業・物流インフラの充実強化によるイノベーション促進などを推進するという。
 ターゲットとして、医薬品、医療機器、再生医療など先端医療技術、先制医療、バッテリー、スマートコミュニティの6つを挙げている。
 今回の指定で、昨年の関西広域連合設立に続き関西がまとまる枠組みが強化される。東日本大震災の際にも関西としての役割が叫ばれたが、関西が再び日本の成長を牽引するためには経済界、自治体が一体となり最善を尽くすことが肝要だ。エンジンとなる産業・機能の集約拠点形成を期待したい。


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