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2012年01月18日 前へ 前へ次へ 次へ

美しい文字を書く努力

 速記を習ったことはないが、仕事柄、メモをとる力は長年の経験である程度身に付いた。相手がゆっくり話したり間を置いたりする人ならば、メモが追い付く。しかし早口の人だと大変である。自分の文字が後で解読できないという事態が起こる▼速く文字は書けるようになったが、美しい文字は書けない。ゆっくり書いても駄目である。自分勝手なくずし字もたくさん身につけてしまった。これではいけないと最近になって反省し、とある本を読んで目からうろこが落ちた▼字は書き始めの点の部分を「起筆」といい、これが大事だという。昔、学校で教わった習字はそうだったなと思い起こした。パソコン画面上のワープロソフトの活字も、よく見ると起筆のアクセントがしっかりついている▼起筆は縦、横、斜めへと進む出発点であり、これをおろそかにしてはいけないとある。左上から右下に点をつけるように書き、一度止めてから引く。高く飛ぶ前に、深くかがみ込んで力をためるのと似ている▼書道の世界の「永字八法」は、楷書を習得するのに欠かせない基本とされる。「永」の字は漢字を構成する基本点画の八つを備えているからである。いろいろな基本ルールを意識せずに字を書いてきた自分が情けないが、これからは「永」を永久に忘れぬよう頭に刻んでおきたい。


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