健全性を重視する中国の太陽光発電
昨年、風力発電の設置台数で世界最大規模となった中国は、国を挙げてさらなるクリーンエネルギー導入を進めようとしている。なかでも、昨年からは太陽光発電の自国内導入に極めて積極的な方針を国家戦略として打ち出した。国の全エネルギーに占める再生可能エネルギー比率を2020年までに約15%まで高める方針を掲げ、とりわけ太陽光発電で得られる発電目標を2倍以上に引き上げ、その取り組みを進めている。
現在、中国は火力発電に偏っているエネルギー事情などから、大気汚染などの環境問題が深刻化しており、改善が迫られている。その一方で、太陽光発電、風力発電、熱エネルギー回収などいわゆるクリーンエネルギー技術による生産額が640億米ドル(11年・WWF公式発表)を超えており、米国や日本などを大きく上回り世界トップのポジションを獲得している。
また、中国政府は第12次5カ年計画で環境産業の育成を重点課題に定めており、そのなかでも太陽光発電をはじめとする再生可能エネルギーの利用機会拡大、積極導入を進めている。こうした動きの背景にあるのは、高い経済成長の継続と同時に、一部で深刻化している大気汚染など環境問題の解決も、当然含まれている。さらに、自国内の太陽光発電に関わる設置数の拡大目標は、超過当競争状態にある中国内の太陽電池業界に対して健全な発展に向けた政策のという側面も十分に考えられるだろう。
中国の太陽電池業界は現在、一部の大手企業を除いて「設備稼働率は5割以下」に陥っている企業も少なくないといわれている。中小企業も含めると太陽電池パネルメーカー数は100社に上るともされ、とくに中国国内市場をターゲットにした中小企業などは、世界的な太陽光パネルの業績悪化を受けて太陽光パネル生産からLED(発光ダイオード)への業種転換、パネル設備の縮小や撤退などを図っている。
中国政府は、乱立している太陽電池関連企業に対して、太陽光パネルの品質基準の厳格化などを求め始めている。政府の思惑としては、設置目標数を引き上げるなどの普及促進策の代わりに政府として品質関連の基準を強化し、乱立している企業数の淘汰と中国の太陽電池業界の健全な発展に一定の道筋をつけたいと考えているのだろう。日系材料企業も中国の太陽電池業界には深く関わっている企業が多い。「世界最大」の冠を数多く有する持つ中国だが。その質には多くの課題がある。、今後の動向は日系企業にとっても極めて大きな影響があり、その動向に注目が集まっている。