民主主義と国連原則の呪縛
先週末から世界の耳目を集めたのは、EU首脳会議と地球温暖化防止の国際枠組みを決めるCOP17だったが、いずれも抜本策にはほど遠かった▼今や欧州ソブリン危機は、世界経済の最大リスクと認識され、主要中央銀行は、欧州金融機関のドル資金借り入れ支援を決めた。これは「時間を買う政策」(白川日銀総裁)という緊急避難措置だが、これを受けた首脳会議はユーロ圏全体で信用を補完するユーロ共通債導入を見送った▼194カ国が参加したCOP17は会期を延ばし温暖化対策の新枠組みで合意した。当面、京都議定書を延長し、新ルールを2020年に発効させる内容だ。国連採択は全会一致の原則があり、議長国は「歴史的な成果」と評価したが、より先鋭となった各国間の対立を考えると、COP18で実効ある対策は容易でなさそう▼国内では年度税制改正が精力的に進められた。自動車重量税の負担軽減、ナフサ免税の実質恒久化などは評価したいが、影の主役は消費税だった。10年代半ばに税率10%に向けた議論が継続中で、着地点は見えない▼欧州以上に深刻な日本の財政では消費増税は避けられないにしても、選挙がブレーキをかける。時間と手間が必要な民主主義と国連の全会一致原則。この呪縛をどう解くか、解決へ向けた模索が世界中で続く。