多事多難な世相を反映した創作四字熟語
漢字は一目見ただけで、意味が通じる。本来は表意文字と解されているが、正確には音と意味双方を表す"表語文字"というのが一般的らしい▼先ほど発表された今年の「創作四字熟語」は、多事多難だった今年の世相を巧みにすくいとった作品が目立った。住友生命が始めたこの世相熟語も22回を重ねる。明るい話題を切り取ったのは、なでしこジャパンの「才足兼美」やスパコンの「世界最京」だ▼政権交代以降、揺れ続けた政局は「年々宰宰」や「舌禍繚乱」を経て、「賢泥鰌来」「賛否農論」などにいきつくが、大震災がらみでは「天威無法」や「帰路騒然」「一松懸命」「電考節夏」「愛円義援」「計欠停電」「電力供窮」「天地震迷」「帰郷村望」など表彰作品も豊富だ▼世界もアラブの春で揺れた。「春渦中東」の行方はしっかり見据える必要があるが、EUのソブリン債危機が「欧州憂慮」と「円延超高」を招いたのは周知の通りである▼一方、韓国の就職ポータルサイトが会社員と求職者に四字成語と意味を提示、共感するものを選んでもらった結果、会社員の1位は「手無分銭」、求職者は「芒刺在背」だったらしい。手無分銭は懐の寒さが分かるが、「芒刺」は厳しい就職前線を切り取っている▼IT社会と書き言葉の距離感は微妙だ。漢字とは末永く付き合いたい。