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2011年12月12日 前へ 前へ次へ 次へ

進まぬがれき処理

 先月も本欄で取り上げた話題だが、東日本大震災で発生したがれき処理が停滞している。東京都が岩手県宮古市、宮城県女川町からの受け入れ処理を開始したものの、全国の自治体の多くが受け入れに及び腰。遅々として進んでいないのが現状だ▼災害廃棄物の発生量は、岩手県が通常時の一般廃棄物の11年分に相当する476万トン、宮城県は19年分の1569万トン。「皆で協力し力のあるところが手伝わなければならない」という石原都知事の発言は至極もっともだ▼先週、大阪府でひと騒動があった。受け入れ指針策定を検討する専門家会議が、傍聴者に議事進行を妨げられて途中で打ち切られた。50人の一般傍聴者のうち5、6人が「健康被害が出たらどう責任を取るのか」などと繰り返し発言、座長の制止や退席要請も無視したという▼政府が発信する原発関連情報への信頼は大きく揺らいでいる。不安や懸念を払拭できないのは致し方ないが、エキセントリックに過ぎる論調も少なくない。狼藉者はそんな主張に煽られたのだろうか▼3・11を経て、どんな事象にもゼロリスクはあり得ないことが再認識された。だからといって、いたずらに"危険神話"を撒き散らす行為は看過できない。いま必要なことは、科学的なリスク管理の仕組みを構築し、対策を前に進めることだ。


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