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2011年11月21日 前へ 前へ次へ 次へ

ボージョレ・ヌーボーと福島の秋

 17日はボージョレ・ヌーボーの解禁日だった。毎年11月第3木曜日のお約束。酒屋の店頭はもちろん、デパ地下やスーパーの特設コーナーにもワインボトルがずらりと並ぶ。フレンチやイタリアンだけでなく、和食や中華の店、居酒屋にも「本日解禁」のPOPが目立った▼クリスマスやバレンタインデーを例に引くまでもなく、日本では、外国の習慣や文化を同化させ、時には独自の方向にも発展させる事例が多い。これもまたその一つ。ひところほどの大騒動はないにせよ、メディアの街ネタの定番でもある▼今さら解説は不要だろうが、ヌーボーの名が示す通りその年のワインの新酒のお祝いである。長く寝かせた方が価値が上がる通常のワインとは製法も違う。毎年のように、どこかのウンチク好きに聞かされる▼多くの農作物は秋に収穫される。どの国どの地方にも秋の収穫を祝うイベントが古くから伝承されている。日本の農村地域でも、五穀豊穣を祝い、次の年の無事を祈願する祭りは多彩だ▼福島県を中心に、この収穫期を危機的状況で迎えた人々がいる。見事な出来栄えに見える米や野菜や果物が、線量計の数値次第で出荷を止められる哀しい事態。来年、再来年のこの時期をどう迎えられるのか、目をそらすことの許されぬ国家的な重要問題だ。


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