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2011年11月18日 前へ 前へ次へ 次へ

正しい認識でナフサ免税恒久化を

 民主党政権が誕生して3度目の税制改正の議論が始まっている。マニフェストで租税特別措置(租特)の抜本見直しを掲げて政権は動き出したが、目立った成果は少ない。一方で、2年連続で免税されてきた石油化学原料課税問題に化学産業は混乱、防衛に追われた。さすがに2012年度税制改正では課税の動きは鎮静化しているが、石化産業の存立をゆるがす課税問題の再燃を防ぐために原料免税の恒久化が急がれる。民主党および政府税調は国際標準になっている原料非課税を租特から外す制度改革を行うべきだ。
 ナフサなど石化原料は租特によって免税措置を受けている。年間約3兆円の揮発油税は57年から期限を定めず免税に、78年に導入された石油石炭税は約1000億円が免税されている。原料非課税は世界の常識になっていることもあり揮発油税の課税が話題になることはなかったが、石油石炭税は毎年交渉して租特対象になった。その後業界の努力によって2年ごとに延長されたが、負担は小さくない。
 ところが、09年9月に発足した民主党政権は租税見直しを逆手にとってナフサに課税することを打ち出した。世界に例のない暴挙ともいえる方針に業界は衝撃を受け、課税阻止に向けて動いた。さらに昨年の税制改正のなかでは、副生するオフガス課税が提示されるなど、この2年間の課税阻止に奔走した業界には徒労感が残った。
 このため12年度の税制改正では、これ以上主原料のナフサ税制に振り回されることを避けるには、租特による免税ではなく本則恒久化要求に軸足を移した。昨年の税制改正大綱において「原料用石油製品等の免税・還付措置の恒久化や本則化について、12年度税制改革において引き続き検討する」ことが明記されたことで、今回は恒久化実現の最後のチャンスと考えた。
 ただナフサ課税による税収確保に焦点が集まった昨年までと違い、税収に直接関係ないこともあって国会議員の関心は必ずしも高くない。これまでの政府税調でもほとんど議論になっておらず、マスコミ報道で取り上げられることも少ない。
 この認識は是正する必要がある。税収が不足するから課税するということになれば、当該産業は国際競争に太刀打ちできず国内生産を継続できなくなる。現状の租特という不安定な状態による免税から脱して、原料非課税の恒久化は正当な要求であることを国会議員や財務省は認識して制度改正を急ぐべきである。経済産業省や化学産業などの関係者は本則恒久化の重要性を訴える取り組みをもう一段強力に進める必要がある。残された時間は限られている。


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