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2011年11月15日 前へ 前へ次へ 次へ

ノーベルファーマ 13年末までに13品目以上販売

「20年売上200億円目標」
 ノーベルファーマの塩村仁社長は今期(2011年12月期)に累積損失を一掃することを契機に東京で記者会見し、13年末までに13品目以上の新薬販売を目指す方針を示した。塩村社長はまた、08年からこれまでに4品目(一つは効能追加)の承認に成功、全戦全勝との実績を残し、さらに現在の開発品の成功確率の高さも強調したが、今後の導入は高リスクもあるとし公的補助、共同開発・投資などリスク対応を進めるとした。売上高は今期43億円を見込み、20年に売上高200億円、経常利益50億円を目標としている。
「累積一掃 約束は果たした」
 同社は、稲畑産業の投融資をベースに03年に設立され、アンメット・メディカル・ニーズに対応する新薬開発に乗り出した。08年にはウイルソン病治療薬「ノベルジン」(テバから導入、販売は日本新薬と富士製薬工業)、子宮内膜症に伴う月経困難症を適応にした「ルナベル」(ヤンセンから導入、販売はアルフレッサファーマ)、新生児けいれん及びてんかん重積状態適応の「ノーベルバール」(自社開発、販売はアルフレッサファーマ)と3品目の承認、発売にこぎつけた。同年の国内企業の承認数トップも記録している。
 10年12月にルナベルの機能性困難症の効能追加、11年7月にホストフェニトイン(NPC-06)、ファイザーから導入)がてんかん重積状態と術後けいれん発作予防適応を取得、今月中に薬価収載される予定である。
 新薬上市により業績も伸び、今期は売上高が前期(約21億円)から倍増、経常利益も1億円(実力当期利益は約10億円)を出せる見通し。資金は32億円を上限とする稲畑産業の全面支援と銀行借り入れ、開発費などは公的補助により賄ってきたが、今期の累積損失一掃は「当初の約束」(塩村氏)通りに実現できている。
 設立後約8年というスピードでの累積一掃には、開発、営業とも製薬企業経験者(現在の従業員の平均年令56・5才)で固めたことが功を奏したようだ。
「高リスク分散策 自販主に」
 03年から08年が第1ラウンドとしている。次の第2ラウンドは先行品がルナベルの効能追加とホストフェニトイン承認だが、同ラウンドの後続品としてルナベル改良品(NPC-01)が12年2月申請予定、肺がん、乳がんなどに伴う悪性胸水適応のタルク(NPC-05、ノバテックから導入)が同年7月申請予定、腫瘍組織摘出の補助となる体内診断薬と悪性神経膠腫を適応症とする5-ALA(NPC-07、SBIアラプロモとコスモ石油から導入)が同年4月申請予定、悪性神経膠腫手術後に使うカルムスチン含有脳内留置用製剤(NPC-08、エーザイから導入)が今年11月15日申請予定だ。
 重点領域が、がん、小児科、神経内科ということで、第3ラウンドは、神経内科領域の自社開発品であるN-アセチルノイラミン酸(NPC-09)、そして膵・消化管神経内分泌腫瘍適応のストレプトゾシン(NPC-10、ケオシトから導入)が12年9月申請予定、早産・低出生体重児における原発性無呼吸を適応とするNPC-11(日本ベーリンガーインゲルハイムと共同開発)が同年10月申請予定としている。
 いずれも再度の全戦全勝を狙うが、NPC-009は世界初の遠位型ミオパチー治療薬を目指すもので、11年に入り医師主導治験を実施し、10月に科学技術振興機構(JST)のA-ステップに採択されたが、リスクはあると見ている。ただ同開発品は米UPI社と技術提携、国際展開を目指す。開発品以外に12年には承継品4品目も入ってくる予定だ。
 これが13年末までの新薬販売の根拠であるが、これまでの導入品の多くが大手製薬も注目し始めたオーファンドラッグであり、導入戦略にも影を落とす。そこで第4ラウンドは高リスク開発品へのシフトも余儀なくされるが、失敗時の損害を最小限とすることや共同開発、共同投資によるリスク分散を図る。
 営業面ではこれまで販売提携を主としてきた。事業拡大と共に従業員は約150名になり、MRも50名を擁している。今後は自社販売路線に切り換えていく方針で、従業員は15年に200から250名となろうが、増員のほとんどがMRになる見込みだ。ちなみに15年の売上高は100億円、経常利益20億円を目標としている。
 
◆余談◆
 ホストフェニトインは7月承認であったが薬価収載が11月にずれ込んだ。理由はファイザーのトラブルで輸入確保に難があったこと。現在は問題も解消されている。ただ塩村社長は、同剤も未承認薬会議の結論に基づいて厚生労働省からの開発要請を受けた品目であるのに薬価が海外に比べ低すぎると、日本の薬価政策について不満を漏らしている。


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