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2011年11月14日 前へ 前へ次へ 次へ

新製品で好循環に入ったプラ加工機

 「国際プラスチックフェア2011」(IPF)が先月末、千葉市の幕張メッセで開催された。3年に1度の同フェアはドイツの「K」、米国の「NPE」に並ぶ世界3大総合プラスチック関連展示会の1つ。大手重機、専業プラスチック化工機、周辺機器メーカーなどが、独自の最先端技術と新製品を展示し、海外からの来場者も含めて注目を集めた。前回の2008年はリーマンショック直後の開催で、その後業界全体が極度の不振に見舞われた。この3年、需要の浮き沈みはあったが、ようやく好循環のサイクルに入ってきたようだ。
 プラ加工機業界には、以前から「IPFの翌年は需要が拡大する」というジンクスがあった。しかし、リーマンショックと、その後の世界同時不況という大波にのまれ、09年はマーケットが3分の1まで激減し、長年のジンクスが途切れた。射出成形機などプラ加工機事業の業績は急速に悪化し、コスト圧縮、人員削減など徹底したリストラを余儀なくされた。収益立て直しに向けて世界規模で業界再編も相次いだ。
 その後は先進国の苦境を尻目に、BRICsなど新興国が目覚ましい経済発展を遂げ、プラ加工機の需要も急激に回復した。すでに需要はリーマン以前の水準に戻りつつある。
 過去3年間は、樹脂加工機業界にとって混乱の日々であったものの、プラス面も無視できない。リーマン後は工場の組み立てラインの大半が停止状態だったが、厳しい経営環境のなかでも先行投資を続けてきた。とくに研究開発への取り組みは休みなく続いた。
 今回のIPFでは、そうした最先端の技術開発競争の成果が数多く紹介された。例えば大型液晶パネル向け導光板。これまで押出法によるシート成形が中心だったが、軽量化や薄肉化が可能で、微細なプリズム(V溝)を形成できる射出成形法が注目されている。すでに各社は新型成形機を開発し、来年には本格採用が始まる見通しだ。
 これに加え、スマートフォンの世界的ヒットを背景に、電子部品向け高精度ファインピッチコネクター、市場規模が急拡大中の発光ダイオード(LED)成形装置、容器の薄肉化が可能な成形機など、最新技術が紹介され来場者の注目を浴びた。またエネルギー問題が深刻化するなか、電力消費を大幅に節約できる新機種も急増した。新製品の多くは来年、市場に投入される予定である。欧州の財政・金融危機、新興国の景気減速など不安材料は抱えているが、「IPFの翌年は需要が拡大する」というジンクスが再び定着することを期待したい。


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