放射能汚染と温暖化の共通点
このところ、福島原発事故そのもの報道が減少する一方で、放射能汚染に関するニュースは一向に収まらない。千葉県柏市で局所的に高い放射線量が検出され衝撃を与え、牛肉や米など食品汚染が後を絶たず、日常生活に不安を広げている▼毎年この時期に地球温暖化対策の国際交渉があるが、11月末のCOP17を目前に控えながらニュースは極端に少ない。温暖化交渉をリードしてきたEUは金融危機対応で精いっぱい。米国も景気対策や大統領選で身動きが取れない状態で、交渉の進展は見込めないようだ▼放射性物質による健康被害、地球温暖化には共通点を感じる。計測データは収集、整備されているものの、その影響や対策に関しては専門家の意見が大きく分かれる。放射線量では積算線量が100ミリシーベルト以下なら発ガンリスクは低いとされるが、不安を煽るような汚染報道もあって、より徹底した除染を求める声が勢いを増す▼温暖化では380ppmまで上昇した温室効果ガスを450ppm程度で抑制すべき数値目標はあるが、あくまでシミュレーション。信頼性や確実性には疑問も残る▼将来予測を行う際には科学者の思想が反映しがちだ。しかし原発事故で低下した科学技術の信頼回復には、マスコミ受けを狙った発言ではなく真摯な姿勢が問われている。