高分子技術がカギを握る3Rの進化
廃棄物の発生抑制(リデュース)・再使用(リユース)・再生利用(リサイクル)の3R推進は、わが国製造業の競争力の源泉になっている。クリーン・ジャパン・センターによる2011年度の「資源循環技術・システム表彰」から、企業の3Rの取り組みが着実に進化していることを感じさせる。とくにプラスチックなど高分子素材や製品で優れた技術成果が生まれていることに注目したい。
リサイクルや環境保全を対象に75年に始まった表彰制度に、今年度は全国から17件の応募があり、「経済産業大臣賞」はソニーの廃光学ディスクの家電製品への有効利用技術、「経済産業省産業技術環境局長賞」をマツダなどの市場損傷バンパーから新車バンパーへのリサイクル、リコーのフィルム片を用いたドライ洗浄技術および装置の開発が受賞した。
大臣賞を受賞したソニーは、製造工程で発生したCD、DVD、BDなど光学ディスク基盤のポリカーボネート(PC)を難燃PC樹脂として再生することに成功した。光学ディスクに使用されているPCは分子量が極度に低い特殊グレードで機械的強度が低く、家電製品の構造材料にはリサイクルできなかった。またディスクに戻す水平リサイクルは塗装膜などの異物の存在が障害になっていた。今回の技術では新規硫黄系難燃剤の開発がポイントになったが、再生樹脂はテレビ用難燃性を達成するとともに、耐熱性も40度C向上したという。
マツダなどは事故などで損傷したバンパーを回収、塗膜などを除去して新車用バンパーに約30%混入することを可能にした。工場内で発生した廃棄バンパーはリサイクルが進む一方、経年変化している廃車バンパーは新車への利用は難しい。この中間にある損傷バンパーは埋立てや焼却処分が一般的だった。
リコーの技術は、コピー機のトナー洗浄やフラックス洗浄をフィルム片を用いたドライ洗浄に転換した。これまで使っていた界面活性剤、有機溶剤の廃棄物問題を解決した。
このほか、クリーン・ジャパン・センター会長賞をマテリアルリサイクルを可能にするバイオプラを開発したシャープ、タイヤのインナーライナーゴム使用量を低減した横浜ゴム、廃ポリエチレンのリサイクルシステムを構築した岩井化成なども受賞した。
表彰された技術は、高分子関連が多いことが特徴だ。バイオプラなどを含めた高分子技術は発展の可能性が大きいと同時に、引き続き製造プロセスの環境負荷低減、廃棄物の削減や有効利用も視野に入れた技術開発が必要なことを示している。