存在感を急激に高める中国の貿易額
世界の貿易額に占める中国の存在感が急激に上昇している。2010年の国内総生産(GDP)で日本を抜いて世界2位に躍進したが、輸出額では6年連続世界1位、輸入額では米国に次ぐ2位である。世界各国の産業に与える中国の影響は高まるばかりだが、輸入依存度の高い集積回路なども多い。将来を見据えた中国事業戦略が日本企業に求められそうだ。
経済産業省は4-6月期の産業活動分析において「中国の輸出入からみた東南アジア諸国との貿易」をまとめた。同国の輸出額は、05年に世界1位になり、10年には世界シェア13・4%となる1兆9700億ドルとなった。10年前に比べると約4倍に拡大した。輸入額は同じく約5倍に増え、世界シェアは00年の5・1%から10年は10・2%に上昇、独日を抜いて2位をキープしている。しかも年は輸出、輸入ともリーマンショック前の08年を上回って過去最高を記録、リーマンショック以前の水準に戻らない米独日との勢いの差が鮮明になっている。
もう一つ注目したいのは、貿易相手国の変化である。10年の輸出先では米国がトップで、その比率は21・0%と圧倒している。日本は8・8%で続くが、その比率は漸減傾向にある。輸入相手国は日本が1位で14・4%、続いて韓国が10・5%、台湾9・8%と追い上げている。日本の比率は10年前比で6・2ポイント低下した。
中国は東アジア諸国との貿易取引額を増やし、広がりもみせている。中国からの輸出ではベトナム、インドネシア、マレーシア、タイ向けが急増、シェアも高まった。とくにベトナム向けは97年比で約16倍と突出している。このほかインド向けが急増している。東アジア諸国からの輸入額では、フィリピンとベトナムは97年比で約15倍になった。東アジア以外ではブラジルの増加が目立つ。
貿易取引品目も様変わりしている。00年の輸出上位は電気機器、繊維、一般機械だったが、10年は電気機器、一般機械の比率が上昇する半面、繊維は5ポイント低下した。ちなみに化学の比率は3・6%から4・9%に上昇した。一方輸入は電気機器が高いシェアを維持したものの、鉱物性燃料が急上昇している。化学の比率は00年の7・3%から6・7%に下がった。
輸入のなかでは集積回路の輸入額が高水準に推移、とりわけ東アジアに圧倒的に依存している。このなかで日本は01年に台湾に抜かれてトップを譲り、10年のシェアは台湾、韓国、マレーシアに次ぐ4位に落ち込んだ。このような変化のスピードにいかに対応するか、中国ビジネスの最大の課題だろう。