若手社員に推奨する書「坂の上の雲」
今年就任した役員が20歳代の若手社員に推奨する書籍として圧倒的に支持されたのが司馬遼太郎の「坂の上の雲」。日本能率協会の調査結果で、国民的作家にふさわしく「竜馬がゆく」「歳月」「菜の花の沖」も挙げられたが、断トツの人気だった▼映像にすることが難しいといわれた作品をNHKがドラマ化したこともあろうが、同時期に坂本竜馬を主役にした大河ドラマも放映されたことを考えると、東日本大震災が影響したのではないだろうか▼坂の上の雲は、近代国家になって40年に満たない日本がロシアに戦いの挑んだ日露戦争が舞台。他の司馬作品以上に登場人物が多いことも特徴である。秋山兄弟をはじめ戦争に参加した軍人だけでなく、政治家や財界人なども戦勝に向けてそれぞれの持ち場で貢献した姿を浮き彫りにした。まさに日本が一丸になった時代だろう▼司馬の小説では「横道にそれるが」「余談だが」とことわりながら、時代背景やエピソードを挿入することが魅力になっている。教科書では読めない日本史で学ぶ楽しさとなった▼日露戦争をほうふつさせた全員参加の魅力を感じさせたのはW杯、五輪アジア予選を勝ち抜いたなでしこジャパン。こちらも優れたリーダーを得て全員がそれぞれのポジションで頑張った。日本の進むべき道を示したようだ。