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2011年09月13日 前へ 前へ次へ 次へ

脱ゆとり教育で「円周率3・14」に

 今年は東日本大震災の復旧・復興が最大の課題となったが、その後、電力制約や超円高など日本経済を取り巻く環境は厳しい。産業空洞化を巡る論議もかまびすしい▼こうした激変時に、学校教育の現場も大きな転換期を迎えた。今春から、小学校で新しい学習指導要領が実施されている。うたい文句は、"脱ゆとり教育"である。要領は法律や政令ではないが、学校教育法と施行規則に基づいて教育方針を位置付けている▼今回の焦点は、教育時間や学習量を大幅に増やしたことだ。1-2年生の標準授業時数は週2時間、3-6年生で同1時間増える一方、5-6年生では古文や漢文の音読が加わった。旧指導要領で論議の的となった5年生算数の「円周率3」は3・14に復活した▼来年度以降、中学校や高校でも新指導要領が本格実施される。中学1-2年では武道が保健体育で採用される一方、高校理科では「遺伝情報とタンパク質合成」「膨張する宇宙」が加わり、英単語は1300語から1800語に増える▼この間、国内外の調査で日本の子どもの学力低下が明らかになり、保護者の不安感を増幅させてきた。政府は新指導要領について「生きる力」を身につけるのが狙いとするが、「ゆとり」への反省は希薄だ。「円周率3」は、算数だけの問題ではない。


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