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2011年08月16日 前へ 前へ次へ 次へ

iPS細胞で米国特許成立

 京都大学の山中伸弥教授らが開発した人工多能性幹細胞(iPS)の作成技術について、米特許商標庁(USPTO)が特許を認めた。分化万能性を持つiPS細胞は体のすべての組織や臓器への誘導が可能で、再生医療での期待が高い▼同特許は日本では2008-09年にかけて3件が成立、欧州でも今年7月、特許登録が決まった。今後、英国、ドイツなどの欧州特許条約加盟国で登録が進む見通しにある▼興味深いのは、特許のクレームの範囲だ。日本では「Oct3/4」や「Klf4」など特定の遺伝子に限定されているが、欧州や米国では「Oct」や「Klf」など遺伝子の"ファミリー"による初期化因子というより広い範囲で認められた。欧州では、各ファミリーは「遺伝子産物」もクレームされており、より範囲が広い▼もっとも、今回の特許成立をめぐっては、バイエル薬品の研究チームとの競争もあった。英国で成立したバイエル社の特許は現在、米ベンチャーに譲渡されているが、京都大学は今年2月、双方がライセンスを許諾し合うことで合意した。先発明主義の米国では、双方の"先発明"の審判で特許認定が長引く可能性があったことが背景にある▼米国は再生医療の最前線、今後、iPS細胞を利用した移植用組織・臓器作成の期待が高まる。


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