なでしこに負けなかった化学五輪の活躍
なでしこジャパンの快挙に列島中が酔いしれた一週間だった。決勝戦の澤主将の同点ゴールは男子のトップ選手でも難しい技。PK戦ではGKの海堀選手が好セーブを連発した。美しい映像は何度観ても飽きない。繰り返し放映される度に喜びが増幅された▼予選リーグのメキシコ戦で澤選手が決めた日本の4点目は、自陣から14本ものパスが連続してつながり、その間に相手選手は一度もボールに触れなかったとか。世界のサッカー界で伝説的なゴールとして語り継がれるだろう▼決勝戦の視聴率は、地上波と衛星放送の合計で32・5%。時間帯を考えれば驚異的な数字だ。中部国際空港からの出発時にわずか10人だった報道陣は、成田空港への凱旋時には260人に膨れ上がり、同空港の記録を更新した▼そのなでしこジャパンと同じ19日、4人の高校生が成田に降りた。トルコで開催された国際化学オリンピックの日本代表である。70カ国273人が理論問題と実験で化学力を競い、日本勢は金メダル1、銀メダル3という好成績を残した▼出題は大学院の入試に使えるほどの難易度。強化合宿を重ねて準備するが、受験勉強との両立に苦労すると毎年の代表が指摘する。世界レベルの高校生である。大学受験時に何らかのインセンティブがあって然るべきではあるまいか。