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2011年06月30日 前へ 前へ次へ 次へ

企業判断で始まったサマータイム

 1990年代半ばからサマータイム導入、立法化が議論されてきた。99年の新聞を読み返すと、4月から6カ月間導入することで、原油換算年50万キロリットルの省エネ効果と、日没時間が延びることによる経済効果6100億円とする当時の通産省の試算がでてきた▼効果が小さかったためか、労働強化や青少年の非行を誘発するという否定的意見からか、導入は見送られた。ところが原発事故を契機にサマータイムが注目された。当時の議論と違ったのは、節電のため企業判断で導入したことだ▼すでに一部企業で始まっているが、ある家庭では出勤や帰宅時間がばらつき、ムダが増えたとぼやきも聞く。産総研では普段より早く帰宅して使用するエアコンによって、国内の総電力需要量は4%増えると試算した▼自動車業界は木金を一斉休業にして土日を操業するという節電対策を打ち出した。自動車の場合は系列会社などに与える影響も大きく、関係する従業員の子どもの保育園確保が懸念されている▼家庭で使用するLED電球、扇風機、省エネエアコンなど節電商品の販売が5月から急増している。エネルギー大量消費を前提にしたライフスタイルの見直しにつながることは歓迎したい。ただ、企業や家庭の努力に依存した節電では"合成の誤謬"に陥るリスクも想定すべきだ。


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