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2011年06月21日 前へ 前へ次へ 次へ

GPSによる地殻変動の解析

 東日本大震災を引き起こしたマグニチュード(M)9・0の大地震、いまだ東北地方などでの余震が散発しており、「大規模余震」への懸念をぬぐえない状況が続く▼国土地理院の研究チームは、この地震が過去数百年にわたってプレート境界に蓄積されたひずみエネルギーが放出されたことをGPS(衛星利用測位システム)による地殻変動の解析によって示し、16日付の「ネイチャー」誌に発表した。プレート境界のすべり範囲は日本海溝近くの南北400キロ、すべり量は27メートルとかつてない規模だが、"ひずみの蓄積"という大地震の顔が浮かび上がった▼2002年、政府の地震調査研究推進本部は東北地方で沈み込み地震が発生する可能性について「30年以内にM7・7?8・2の地震の確率を80~90%」と推定していた。これは、過去400年の統計解析をベースにしたものらしい。今回の大津波に匹敵するとされる貞観11年(869年)の大津波の研究はまだ日が浅く、地震対策に生かせる状況ではなかったようだ▼一方、過去10年のGPS調査では、累積的なすべり量の割合が約30%で、プレート運動の残りの70%は説明がつかないままだったとする関係者の指摘があった。今回、すべりとひずみの微妙な相関関係が示唆されたことで、地震研究の新たな地平が開かれる。


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