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2016年04月05日 前へ 前へ| 次へ 次へ

「四の五の言わず...」の大局観

 古い任侠映画を鑑賞していると、「四の五の言わず、とっととやれ!」という台詞に出くわした。本筋と関係のないチンピラの一言だが、妙に心に突き刺さる。この台詞、職場でなかなか言えないことに思い当たったためだ。「死にたくなければ、俺についてこい」追い打ちをかける台詞が来た▼しのごの、と言う表現は、サイコロの丁半博打から来ている。偶数の四は丁で、奇数の五は半だ。江戸時代にはこのほか、花札や賭博の要素を持った双六も流行った。もっと身近な娯楽では、囲碁や将棋が広く親しまれていた▼囲碁は、陣地の取り合いのゲームだ。小さい陣地は捨て、より大きい陣地を確保して優位に立つ。大きな陣地を拠点に、さらに地を拡げる。企業の事業ポートフォリオ戦略などは、囲碁に通じるものがある。強い事業、成長が見込める事業は、M&Aなどを通じて強化し、市場での優位性を高める。それ以外の事業は、たとえ足もとで利益を上げていても切り離してしまう▼囲碁や将棋などにおける盤面全体の形勢のことを大局という。形勢を的確にとらえる能力が大局観だ。転じて、物事の全体像をつかむ能力全般を大局観と呼ぶ。企業における事業の取捨選択なども、大局を描いているが故の決断である。四の五の言わず...は、大局を知るリーダーこそ相応しい台詞といえよう。


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