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2014年06月24日 前へ 前へ次へ 次へ

業績予想に差がでたファイン系企業

 ファインケミカル系企業の業績が好調だ。政府の経済政策の追い風を受けて、景気回復の動きが鮮明になっているほか、4月からの消費増税前の駆け込み需要によって個人消費が増加したことで、2014年3月期決算は売上高、利益ともに過去最高となる企業が相次いだ。
 ダイセルは営業利益、経常利益、純利益すべてで最高益となった。為替の影響や販売価格の是正などで、たばこフィルター用アセテート・トウや酢酸などが増加した。日本化薬はデジタル印刷材料や色材、触媒に加え、関係会社であるポラテクノの染料系偏光フィルムが伸長、売上高、利益ともに過去最高を達成。日油も機能化学品、ライフサイエンス、化薬の各事業が総じて堅調に推移して売上高、利益とも過去最高となった。
 売上高が最高だったADEKAは、スマートフォンなどモバイル端末の需要拡大で、半導体メモリー向け高誘導材料が伸長したほか、自動車増産によって造核剤や光安定剤といった高機能添加剤が増加した。日産化学工業はスマートフォンやタブレットPC向けの液晶表示用材料に支えられて過去最高となる純利益を計上した。
 国内景気は増税後の反動による一時的な停滞が予想されるものの、今年度も総じて回復基調で推移しそうである。こうした状況において、14年度も引き続き業績拡大が期待される一方で、先行きを慎重に予想する企業も多い。
 ダイセルは自動車生産拡大によるエンプラやエアバッグ用インフレータの販売増が続き、利益のみならず、売上高も過去最高を見込んでいる。本州化学工業も自動車用部品向け特殊ポリカーボネート(PC)樹脂の原料に使用される特殊ビスフェノールが好調を維持し、売上高、利益ともに過去最高を予想する。このほかにも日油が売上高、営業利益、純利益で過去最高を更新、ADEKAは売上高、純利益で過去最高を目指す。
 一方、日本化薬は売上高は増加を見込むが、原価率悪化や販管費の増加により営業利益は減益。さらに為替差益効果の剥落によって経常利益、純利益は減益を予想する。日産化学は薬価改定や後発医薬品の影響で医薬品事業が減少する見通し。
 慎重な見方をする企業も、期途中で上方修正する可能性はありそうだ。ただ新興国の経済減速や原燃料価格の上昇による収益悪化が懸念されるなど、厳しい事業環境が継続することも想定せざるを得ない。各社にはこれまで推し進めてきた構造改革の手を緩めず、強固な財務体質構築と並行して、新事業・新製品の創出、拡大を加速させて収益向上を期待したい。


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