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塩ビ管の安定した事業構造構築を
4月の消費税率引き上げ後の反動が硬質塩化ビニル管(塩ビ管)の出荷で鮮明になっている。塩化ビニル管・継手協会の統計によると、2014年4月の出荷量は1万9334トン,前年同月比で約13%減となった。2割程度の落ち込みを覚悟していた塩ビ管メーカーも多かっただけに、減少幅は小さかったという見方もあるが、新設住宅着工関連の需要が4月に延びたこともあるようだ。このため5月の出荷は、前年同月比27%減の1万6597トンと下落幅が拡大しており、業界としては気を抜けない状況が続いている。
昨年12月から今年3月までは、消費税率引き上げ前の駆け込み需要を背景に住宅向けが好調に推移し、塩ビ管の出荷量は前年同月比で1-2割程度増えた。この結果、13年度の出荷量は前年度比6・5%増の33万3462トンで、前年度より約2万トン増えた。この駆け込み需要分が、今年度は減少に働くわけだが、引き続き30万トン台は維持できると考えられる。
塩ビ管・継手の需要は建築設備が5割以上を占め、上下水道が25%程度、そのほか農業用水やケーブル保護管用など幅広い分野に使われている。
133年度の新設住宅着工戸数は、駆け込み需要もあって前年度比10・6%増の約98万7000戸と大幅に伸びた。だが14年度は80万戸台を予測する住宅メーカーが多いという。ただ需要変動は住宅着工戸数の増減率とは必ずしも連動せず、住宅着工戸数が10%増減しても、塩ビ管では5-6%にとどまるという見方もあるが、いずれにしてもマイナス要因になる。
14年度の公共投資は、下水道関係が前年度比2%増、上水道関係は同18・5%増であり、消費税率引き上げによる反動減をいくらか緩和することが期待できるだろう。このほか、震災復興需要などプラス要因もないわけではないが、国内需要が大きく増えることはないだろう。
市場は成熟しており、これ以上ドラスティックな業界再編も起こりそうもない。こうした事業環境のなかで、塩ビ管で培った技術や知見を応用した新たな市場での事業展開が必要となろう。例えば、積水化学工業やクボタシーアイといった塩ビ管大手は、老朽化した上下水道管などを更生する管路更生事業を拡大する方針を打ち出している。とくに欧米における管路の歴史は日本より古く、ビジネスチャンスが見込まれよう。
他方、今年1-2月から塩ビ管メーカー各社が進めてきた価格交渉は、ほぼ値上げが決着したもようだ。厳しい事業環境のなかで収益改善も一定に進む要因になろう。これを生かして新たな成長を期待したい。