2014年6月の記事を読む
2014年5月の記事を読む
2014年4月の記事を読む
2014年3月の記事を読む
2014年2月の記事を読む
2014年1月の記事を読む
2013年12月の記事を読む
2013年11月の記事を読む
2013年10月の記事を読む
2013年9月の記事を読む
2013年8月の記事を読む
2013年7月の記事を読む
2013年6月の記事を読む
2013年5月の記事を読む
2013年4月の記事を読む
2013年3月の記事を読む
2013年2月の記事を読む
2013年1月の記事を読む
2012年12月の記事を読む
2012年11月の記事を読む
2012年10月の記事を読む
2012年9月の記事を読む
2012年8月の記事を読む
2012年7月の記事を読む
2012年6月の記事を読む
2012年5月の記事を読む
2012年4月の記事を読む
2012年3月の記事を読む
2012年2月の記事を読む
2012年1月の記事を読む
2011年12月の記事を読む
2011年11月の記事を読む
2011年10月の記事を読む
2011年9月の記事を読む
2011年8月の記事を読む
2011年7月の記事を読む
2011年6月の記事を読む
2011年5月の記事を読む
2011年4月の記事を読む
2011年3月の記事を読む
2011年2月の記事を読む
2011年1月の記事を読む
2010年12月の記事を読む
連載(下)日系化学の戦略拠点 シンガポール
スピード重視へ現地密着
統括機能拡充、域内完結も
成長市場のアジア太平洋地域で、多くの化学企業が事業・製品群を増やし、研究開発などの機能も拡充させている。そのなかで、シンガポールを地域統括会社に位置付け域内事業の拡大を目指す動きが加速。中核拠点として存在感が一層高まっている。
地域統括会社は、域内のグループ会社のサポート役という位置付けが現時点では強い。事業拡大にあわせて統括機能を生かしたグループのシナジー創出を目指すものの、日本に残る事業部や製品ごとの縦割りの意識が強く、連携した事業運営の推進は一朝一夕にはいかない場合が多い。
三井化学は2007年に設立した地域統括会社の三井化学アジアパシフィック(MCAP)が、域内のグループ20社への支援を行っている。ただ、事業拡大のペースが欧米の競合他社と比較して鈍いとの判断もあり、13年にMCAP内に事業部や製品の壁を越えて横串を通した総合的なマーケティング専門部署を立ち上げた。
その組織が主導して、食品包材を対象に本格的な取り組みを始動した。製品の総合的な高機能・高付加価値を強みに、各事業部が販売する従来の体制では難しかった現地需要家への売り込みに注力する。今後、建材、農業関連材料、ヘルスケア分野への展開も視野に入れる。
縦割りの壁に横串を通したのがDICだ。域内17社を統括するDICアジアパシフィック(DICAP)の4つの事業部門に対して、ファイナンス、内部統制、マーケティング、技術開発などの部門が横串を通しており、マトリックス組織体系の構築に成功した企業の一つとして注目を集めている。
DICAPでは「事業部だけでなく、管理部門にも収益に対する責任を課している」(増田義明DIC常務執行役員兼DICAP社長)という。両者に責任と権限を平等に与えることで、同じ目標に向かってシナジー効果を発揮することが狙いだ。
移り変わりの激しい市場に迅速に対応するため、投資計画においても資金を現地の資本でまかない、域内で全ての事業を完結する企業も出てきた。
電気化学工業は、デンカケミカルズホールディングスアジアパシフィック(DCHA)が「製造、販売、研究開発、管理部門とさまざまな機能を拡充し、自己完結型の地域本社になってきた」(鈴木正治電気化学工業執行役員兼DCHAチェアマン)といい、現地に密着したスピード重視の経営に転換している。
今年4月、DCHAが出資する特殊混和材事業の東南アジア周辺地域統括会社、デンカ・インフラストラクチャー・テクノロジーズが営業を開始。ベトナムでも新会社を設立し、塩ビ粘着テープの工場を建設中だ。DCHAが経営機能を持つことで意思決定の迅速化と事業運営の効率化を図り、事業機会を確実に捕らえる構えだ。
地域統括会社の基盤強化は、人材やシステムなどの経営資源の投入に加えグループ内の意識改革も必要であり、容易なことではない。しかし、統括機能が働かなければ各事業・拠点が一体となった運営は成り立たない。事業拡大のペースが市場の伸びのスピードに追い付かない可能性もある。今後成長が見込まれる東南アジア市場で、計画に沿った事業拡大に向けて現地密着型の経営・統括が大きな鍵となる。
(岩崎★[立つ崎]淳一)
【写真説明】成長する東南アジア市場に迅速対応を図るためシンガポール拠点の役割は増している