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米石化ルネサンス シェール革命の行方(上)
メタノール再び能力拡大へ
シェール革命による米国石油化学産業の再生が喧伝されて久しい。メタノールの国内生産が復活するとともに、エチレンでは年1200万トンを超える新規計画が打ち出され、誘導品輸出でアジア市場までを射程に入れているといわれる。その一方で、シェール脅威論を過剰反応とする見方も出始めている。はたして実像はどのようなものなのか。
シェール革命にともない、米国石化産業への投資は急増した。米国化学工業協会(ACC)のまとめによると、米国で2010年以降に実施されるシェールに関連した化学産業への投資額はおよそ1000億ドル。新工場の建設やプロセス変更による能力増強など、これまでに148のプロジェクトが公表され、出荷額は23年までに年810億ドルも増加する。
投資の中身をみると、メタノールの能力拡大はまさに"再生"の名にふさわしい。米国は00年に世界供給能力の2割を占めていたが、その後の天然ガス価格の高騰を受け急速に後退。10年間で500万トン近い能力を削減し、事実上、国内生産をやめていた。しかし、10年以降の10年間では年1000万トンを超える能力が加わる。ここから「南米の酢酸の需要増を賄うほか、アセチルコンプレックスが発展する可能性も出てきた」(マイク・ナッシュIHSケミカルグローバルディレクター)。
エチレンでは年1200万トンもの新増設計画が打ち出されている。米国の現有能力の4割にもなる。その6-7割はポリエチレン(PE)向け。600万トン超の輸出増が見込まれている。
第1のターゲットである南米市場は、需要増が想定より遅れており、拡大するPE輸出の受け皿にはならない。能力の増加分がそのまま米州の外へあふれ、その多くはこの先も輸入ポジションにあるアジア市場へ向かう公算が大きい。
アジアでは中国で競争力のある石炭由来のPE生産が本格化してくるが、「立地が炭坑に近く市場は限られる。自給率向上はナフサクラッカーが牽引する」(リン・M・ラッケンマイヤーエクソンモービルケミカルシニアバイスプレジデント)と、直接的な競合になるとはみられていない。
ただ、この先はどうか。メタノールについては中国のメタノール・トゥ・オレフィン(MTO)への原料供給を目的とした計画があるものの、誘導品輸出で南米よりも遠方の市場に手を伸ばせるかは不透明。エチレンについては、PE生産による消化は限界に達し、エチレングリコール(EG)など他の誘導品への展開を検討する段階にある。しかし、それ以上に焦点はプロパン、ブタンの活用に移っている。シェール革命"第2幕"のシナリオはいまだ書き上がっていない。(豊田悦史)
<写真は採掘現場のリグ>