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インド 日系企業 現地生産推進 消費財の潜在需要に狙い
土地収用法など課題多く
【シンガポール清川聡】インドの耐久・非耐久消費財市場をめぐり、日系企業の動きが活発化している。足元では投資の手控えムードが漂っているものの、中長期的には2ケタ成長が確実といわれる。日系メーカーが掲げるテーマは「現地化」。昨今のルピー安も要因となり、従来の輸入販売という事業モデルから現地生産への転換が進む。しかし、新土地収用法など課題は山積みとなっている。
※価格競争力を向上※
4歳以下の乳幼児人口が1億2500万ともいわれるインド。この世界最大の潜在市場を狙うのは哺乳瓶・育児用品大手のピジョンだ。同社は2015年1月以降の操業開始を目指し、デリー近郊でシリコーン製乳首やプラスチック製哺乳瓶の新工場を建設。これまではタイの工場で生産した製品をインドに輸入していたが、現地生産により価格競争力を高め普及につなげる狙いだ。
また、東レはインドに自動車エアバッグ用基布工場の新設を決めた。インドでは16年までにエアバッグの搭載が義務化される見通しであるだけでなく、自動車の輸出拠点としての存在感が高まりつつある。現在、インドに生産拠点を持つ日系自動車メーカーにおける部品・部材の現地調達率は70〜90%。各社はこれを将来的に90%以上に引き上げる構想を推し進めるなか、東レは現地化でインド自動車産業の潜在需要を取り込む。
※地場と厳しい競争※
その一方、インドに進出する多数の日系企業は苦戦が続いている。自動車産業を例に挙げると、タイやインドネシアと異なり周辺産業である部材・部品の地場企業が多数存在するため、「他国以上に厳しい価格競争が存在する」と日系メーカーは口を揃える。多くのケースが原材料や製品自体を輸入に頼らざるを得ない状況だが、「現地への生産進出はそれほど簡単ではない」(日系メーカー)という。その背景には、広く知られているインフラの未整備、頻発する労働争議、複雑な税制面などに加えて、今年1月に施行された新土地収用法があるという。
120年ぶりに改正された同法は、土地取得に際して地方の土地であれば実勢価格の4倍、都市部であれば2倍に相当する金額を所有者に支払うことを義務化する内容。相対的に他の新興国より割安だった地価の高騰につながる可能性がある。これによって「あえてインドで投資する理由が見いだせなくなる」という現地の声も上がっており、製造業の投資停滞への懸念が高まっている。