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法制度改正で環境整備進む再生医療
再生医療関連新法の施行に向け、再生医療を担う医師と細胞の調整や培養を行う臨床培養士の認定制度が始動する。iPS細胞など先端的研究成果を臨床医などと連携をより強め、医療への応用が加速される。「再生医療元年」へ向けて環境整備に弾みがつくことになる。
日本再生医療学会(岡野光夫理事長)はこのほど、「再生医療資格認定セミナー」を開催した。初めてのセミナーには予想を上回る医師や研究者が参加、再生医療への期待と関心の高さを裏付けた。
再生医療の実用化が注目されているのは「再生医療推進法」とともに、「改正薬事法」(医薬品医療機器法)と「再生医療安全性確保法」(再生医療新法)が今秋にも施行される見通しとなっているためだ。
推進法施行にともなう制度改革の意義は大きい。再生医療はこれまで、医師法・医療法で細胞や組織の採取・加工・検査・移植に至るまで医師や医療機関が担っていたため効率の悪さやコスト高につながっていた。これが、日本の再生医療の普及を阻んできた。新法では、医師から外部の細胞加工(培養)事業者に委託することが可能になる。事業者は国から施設および品質保証の許可を得て、受託事業を始めることができる。
これは、細胞培養の大幅なコスト低減と患者負担の軽減につながることになる。加えて、改正薬事法では医薬品や医療機器とは異なる「再生医療製品」として安全性と有効性を担保したうえで、早期承認制度の導入が予定されている。同時に、再生医療製品の臨床試験における有効性評価も向上する。現状は前臨床や治験、承認申請・認可に10年前後がかかっていたとされるが、大幅に短縮される見通しである。
今回の認定制度は、再生医療に関わる高度な知識や技能、経験を持つ医師とともに、細胞培養技術者の育成を並行して進めるのが狙い。「臨床培養士」認定では、実技試験も実施されることになる。一方、民間による培養事業が可能になることで、培養技術の開発が促進されることにもつながる。
再生医療関連新法は、これまで縦割り行政の弊害が指摘されていた省庁・部局間の連携を実現することで、世界的にも先進的な制度への転換とされている。「再生医療製品」の医療現場への普及が進めば、これまで難しかった疾患の治癒の可能性が大きく広がる。
欧米や韓国の後塵を拝してきた日本の再生医療が飛躍期を迎える。先端的な基礎研究の成果を医療現場へ速やかに移す環境整備を急ぎ、世界の先端医療を引っ張ってほしい。