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「中国エネルギー政策 環境配慮型に転換を」
中国社会科学院世界能源研究室 徐小杰氏
※石炭使用量減らし天然ガスに軸足を※
中国の政府系シンクタンクである中国社会科学院は、初めて世界のエネルギー需給に関する長期見通しを「世界エネルギー中国展望2013〜2014」としてまとめた。中国政府に対しエネルギー政策の重心を経済成長から環境保護に移すことを求める内容となっている。編集にあたった同院の世界経済政治研究所世界能源研究室の徐小杰氏がこのほど来日し、提言する「環境・エネルギー新戦略(EES)」を解説した。
徐氏は中国のエネルギー政策を「温暖化ガス排出削減などを盛り込んだものの、成長の帰結として環境や人間が傷ついた」として批判。問題点として国益とGDP成長率だけを重視していることや、中央政府と地方政府の間にある政策の不一致、エネルギー企業主導の下での公共政策の軽視などを挙げた。
これに対して、環境配慮型のエネルギー戦略としてEESを提示。具体的には石炭使用量の削減とともに、石油と天然ガスの両方を開発する方針から、石油を安定的に生産しながら天然ガスに集中する政策への転換を求めている。また、再生可能エネルギーについては政府による干渉に代わって市場メカニズムの下で推進していくことを提言。核エネルギー利用促進、スマートグリッドの構築なども必要になると述べた。
エネルギー需給の長期見通しについては、2011年から35年にかけて中国のGDP成長率を年5・7%と、国際エネルギー機関(IEA)の「エネルギーアウトルック」の前提である4%に比べ高く設定。このため、中国の需要の伸びも年2・23%と、IEAの1・9%よりも大きくなると予想した。
こうしたなか、中国では天然ガス生産が20年以降、黄金期を迎えるとしている。徐氏は「IEAは中国のタイトガス開発の進捗を過小評価している」との見解を示し、ガス需要に対する非在来型ガスの比率は12年の39%から20年には67%にまで上昇するとの予想を示した。これは12%から45%への上昇を予想したIEAの見通し比べ水準が高い。
再生可能エネルギーについては、需要に占める割合が20年に15%となり、35年には24・5%となると予想。牽引役は風力と太陽光で、35年には石油の比率を上回る。
また、徐氏は中国政府のシェールガスの生産量見通しにも言及。15年に65億立方メートルとした後、20年には600億〜1000億立方メートルへと急速に引き上げる政府の目標について、「達成はぼぼ不可能」との見方を示した。四川盆地での試掘が成功しているが、「単井で得た成果で、今後の開発で同様の結果が得られるか未知数」であることが理由。そのうえで「コールベットメタン(CBM)、タイトガスの開発が優先され、シェールガスはその後になる」と述べた。