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2014年02月21日 前へ 前へ次へ 次へ

広がる再生医療関連事業に挑戦を

 iPS細胞への関心はサイエンス分野だけでなく、再生医療を中心に社会からの注目も一段と高まっている。日本は基礎研究において世界をリードしながら、再生医療の実用化では後塵を拝しているのが実情だ。ようやく議員立法による「再生医療推進法」に続き、「再生医療等安全性確保法」、再生医療製品の製造・販売を広げる改正薬事法が昨年末に相次いで成立した。再生医療の推進体制が整備されたことで、優れたモノ作り技術を駆使した関連産業のビジネスチャンスが広がる。
 再生医療推進の障害になっていた細胞や組織の採取・加工・検査・移植などを外部の細胞加工事業者に委託することが可能となった。開発の効率化やスピードアップが見込める。薬事法改正で、再生医療製品の安全性確認と有効性を前提とする早期承認制度も導入される。
 再生医療の実用化は、多様な関連産業が支える。iPS細胞の培養には、培地や試薬から細胞培養のための容器など多くの消耗品が不可欠。セルフプロセッシングセンターと呼ばれる細胞加工施設で行われる創薬応用では、細胞調製や加工に使われる細胞培養機器、細胞の品質検査機器が重要な役割を果たす。施設の設計・施工、保守・メンテナンス、培養した細胞の輸送も高度な技術力を有するサービス産業が必要となる。
 これらの関連機器や試薬市場は、海外を中心に着実に成長している。日本はiPS細胞や細胞シートなど先端技術では強みを持ち、自動培養装置は世界の75%のシェアを確保している。しかし培地は10%、培養容器は16%、評価キットは27%など消耗品のシェアは高くない。分析機器ではソフト面の対応が遅れているという指摘もある。
 経済産業省は再生医療実用化に向けて厚生労働省、文部科学省など省庁連携による実現化ハイウェイ構想の推進に取り組んでいる。並行して、周辺産業育成に向けた取り組みを打ち出した。14年度予算では、再生医療の産業化に向けた評価手法の確立、周辺製品の開発支援に約25億円を確保した。
 周辺産業の技術開発支援に加え、業界団体の医療イノベーションフォーラム(FIRM)と連携、ISO(国際標準化機構)への働きかけを強める。すでにバイオプロセスセッシング(ISO276)国際標準化案の提案が具体化するなど、グローバル戦略で先行する。
 現状の再生医療周辺産業の国内市場は170億円程度だが、20年に950億円、30年に5500億円、50年に1・3兆円が見込まれる。世界に目を転じれば10倍以上だ。世界を視野に事業創出を目指してほしい。


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