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2014年02月20日 前へ 前へ次へ 次へ

TPP反対に利用されるGM作物

 TPP(環太平洋経済連携協定)交渉のゴールが見えない。関税問題に限っても、日米の溝は大きく、日本の農業団体、米国の自動車業界など強い政治力が交渉を阻害している▼内需の拡大が見込めない日本は、成長する海外市場の取り込むためTPPを活用するのは合理的判断だが、国民的合意は得ていない。米国でもNAFTAなど締結済みの自由貿易協定のマイナス面が強調され、TPPに関する世論調査では反対比率が高いらしい▼日本ではTPP反対の論拠に、遺伝子組み換え(GM)作物が急増、食の安全が脅かされるという意見が根強い。科学的見地からGM食品の有効性を訴えるバイテク情報普及会の消費者アンケートでは、前向きにGM食品を購入する比率は10%弱、「それしか売ってなかったら買っていい」を含めても36%に止まる▼TPP反対派はGM食品の氾濫を利用した感がある。世界に目を転じると27カ国がGM作物の栽培、うち19カ国は途上国。GM転換で害虫抵抗性、乾燥耐性が高まり、過酷な農業労働の軽減も見込める▼消費者にも安全を確認したGM食品の恩恵はあるはずだが、「安心」に直結しないのも現実。それでも丁寧な説明を通じて、"消極的"も含めたGM食品受容者は、13ポイント上昇して59%になったという。粘り強い情報発信を大切にしたい。


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