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2014年01月28日 前へ 前へ次へ 次へ

日系エンジ・総合重機 シェールに沸く北米で体制整備(下)

M&Aや新工場建設も
 日系エンジニアリング企業が北米拠点を相次ぎ格上げすることにともない、総合重機メーカーなども北米市場への取り組みを強めている。現地企業との連携、企業買収をはじめ工場新設など経営資源を積極投入することでビジネスのさらなる拡大を狙う。(堀口昇)
※EPC機能を拡充※
 IHIは米大手エンジニアリング企業のクバナー・アメリカズから陸上の設計・調達・建設(EPC)事業を買収し「IHI・E&Cインターナショナル」を設立し、液化天然ガス(LNG)設備に本格参入している。IHIはLNG貯蔵タンクの世界的大手だが、「液化設備から貯蔵タンク、アルミ製SPBタンクを使ったLNG運搬船までサプライチェーン全域で攻勢かける」(IHIの斎藤保社長)と強い意欲を示す。昨春にはコーブポイントLNGプロジェクトの液化施設のEPCを受注。ルイジアナ州アレキサンドリアではシェールガス由来の天然ガスから年6000万ガロンのガソリンを生産するガス・ツー・ガソリンの基本設計業務(FEED)を受注している。LNG施設にとどまらず「各種石化プラントでも幅広く対応していく」(斎藤社長)。
 三菱重工業はテキサス州でコンプレッサーの生産・サービス拠点を設立する。シェールガス由来の石化プラント需要を見込み約40億円を投入し建設する新工場は今秋の稼働入りを目指す。宮永俊一社長は「当社は米国の石化プラント向けコンプレッサーでトップシェアを握る。主要エチレンプラントで連続受注に成功しており、今後も新規案件を狙う」考え。米国では17年までに大手石油会社を軸にエチレン生産で合計1000万トンの増強計画があり、得意の石化用コンプレッサーで成長戦略を描く。
※閉鎖した拠点再開※
 日本製鋼所は北米における現地の情報収集と営業活動を強化するため、ヒューストン事務所を再開した。全額出資子会社「ジャパン・スチール・ワークス・アメリカ」のヒューストン事務所は2008年、業務効率を図るため閉鎖していた。13年に入り石化プラント計画が相次ぐなか、より精度の高い情報収集と市場調査を目的に再開し新規プラント、既設プラント改造、アフターマーケット需要を取り込む。同社はプラスチック原料を製造する造粒機、樹脂製造・加工機械の世界的大手メーカー。米国でプラ原料の地産地消が進むなか、今年末には石化プラントの新設案件が急増するとみている。
※グループ連携強化※
 日立造船はニューヨークにある現地法人「日立造船USA」の機能を拡充する。北米にある多数のグループ企業の中枢機能の役割を与えることで、多くの投資計画があるガス・ツー・リキッド(GTL)用リアクターなどの受注を確保し基盤を強化する。
 日機装は米国のクライオジェニックポンプの生産拠点で人員を5割増となる人規模に拡大した。米国ではLNG輸出基地の整備が進んでおり、多数のプロジェクト計画の需要に応える。
 横河電機は米国で石化プラントやLNGプラント向け制御システム事業の拡大を目指し人員を増強する。今後、米国工場で現状の約2割増となる約1000人体制を敷き、高度化するプロジェクトに対応する方針だ。
 プラントビジネスを手掛ける日系エンジ会社や機械メーカーにとって北米はアジア地域に次ぐ重要市場となりつつある。その成否はそれぞれ分野における世界シェアに直結するため、各社とって負けは許されない。

【写真説明】三菱重工は石化プラント向けコンプレッサーの新工場を建設(写真はエチレン製造用の世界最大級品)


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