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2014年01月16日 前へ 前へ次へ 次へ

飛躍 三井化学・田中稔一社長

ヘルスケアを新たな軸に
...今年度までの中期経営計画の総括を。
 「中計期間中に実施した成長投資1300億円のうち約9割を高機能製品群、高付加価値ポリマーに投じ、なかでも高機能製品群では安定事業のヘルスケア分野において歯科材料、メガネレンズモノマー、不織布などで大型M&A(合併・買収)や工場建設を進めて基盤を強化してきた。この投資効果として2015年度に250億円の利益増を見込んでいる。一方、フェノール、テレフタル酸、ウレタン原料の3事業は構造改善の計画を2月に公表する。抜本的な対策を通じ赤字額を減らし、14年度以降の飛躍につなげたい」
...今年4月にスタートする新しい中期経営計画の方向性は。
 「景気変動の影響を受けにくい事業ポートフォリオに変革するという基本方針は変えず、これまでの投資のリターンを確実に獲得し企業体質を強化する。とくにヘルスケアではM&Aを含めて事業拡大に一層力を入れ、当社の軸になるような事業分野にしたい。既存事業を深掘りするだけでなく、強みを生かして事業の幅も広げる。中期計画のコミットメントとしてではなく会社のあるべき姿として、売上高利益率7%(13年度見込みは約1・6%)を目標水準においている」
...石油化学部門の再編は。
「昨年は京葉エチレンからの離脱を決めた。今後、米シェールガス製品が欧州や中東に波及しアジアにも影響を及ぼす可能性があるなか、最も懸念しているのは石化製品の市況が低下する恐れがあることだ。高い価格の原燃料を抱えたまま、輸出を続けるのは難しい。国内のエチレン生産は将来500万トンを切るぐらいに縮小するのではないか。コンビナート内で用役や共通設備を有効利用するといった企業連携や、石油精製メーカーとの一体運営などが1つの生き方として考えられる」
...高付加価値ポリマーの事業見通しは。
 「世界8カ国に拠点を持つポリプロピレン(PP)コンパウンドは米国、メキシコで増設し、生産体制100万トンを確立、名実ともに世界トップにこぎ着けた。エラストマーではシンガポールで『タフマー』を増強し、『EPT』『アドマー』は中国で新工場がスタートする。これらの分野は利益の源泉として期待をかけており、高機能製品群と合わせて今年度に事業利益450億円以上を見込み、次の中期計画でもさらなるリターンを得たい」
...長期的にはどのような事業が成長の軸になりますか。
 「金属と樹脂の一体成形材料、非可食性植物原料を用いたポリオールなどに大きな可能性がある。ヘルスケアでは3Dプリンターが歯科材料の事業モデルを変えるだろう。事業構造の変革に向けて研究開発テーマを明確に設定し、短期と中長期を見据えた研究を進めて新規事業を育成する」
(三枝寿一)
[記者の視点]
 フェノール、テレフタル酸、ウレタン原料の赤字3事業の構造改善が喫緊の課題。今年度上期に方向性を示す計画だったが、調整が遅れた。田中社長は年頭、「今年は再構築策を大胆に実行する」と表明。重点的に強化するのはヘルスケア分野。健康・食料への貢献をキーワードに育成を加速する。540億円を投じ買収した独ヘレウス歯科材料事業がどのようなシナジーを生むか投資効果が問われる。

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