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2013年11月18日 前へ 前へ次へ 次へ

評価・分析機関 PV・LiBで存在感 市場急拡大が追い風

 太陽電池(PV)やリチウムイオン2次電池(LiB)など、再生可能エネルギー関連に対する評価・分析機関の存在感が増している。市場の急拡大にともない、長期信頼性や安全性の観点から、メーカー各社の評価依頼が急増。各機関は独自のサービスを提供することで、持続可能社会の形成に貢献する考えを示している。
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 太陽光を中心に再生可能エネルギーの普及が進む日本市場。PVは2012年に施行された再生可能エネルギーの固定価格買取制度(FIT)をきっかけに、産業用途が急拡大。今後、長期間にわたる発電量の維持が需要家の関心を集める。また、蓄電のキーデバイスとなるLiBでは、ボーイングに搭載したLiBシステムの発火問題以降、安全性を最重点にメーカー各社が性能の改善に努めている。
 「どのような要因で発電効率が下がったのか、メーカー各社はその細部にまでこだわって原因を追求している」。PVの特性評価・分析を行う三井化学分析センターが、顧客の開発に対する取り組みを説明する。同社ではPVモジュールの形態観察や腐食、変質といった分析・解析業務から不良個所の特定評価などを実施。高温高湿試験室や屋外曝露試験室などを有し、総合的なサービスを展開中だ。例えば曝露試験済みのモジュールを評価する際、EL像やサーモグラフィ観察で、不良個所を特定。ハンダ工程や部材の不具合などを分析し、顧客に情報を還元している。
 現状の顧客は、国内PVメーカーが中心。モジュールの長期信頼性が問われていることから、メーカーからの評価依頼も増加傾向にあるという。今後は需要が増すメガソーラー関連の保守・メンテナンスに対するサービス展開なども視野に入れている。
 また、第三者評価機関のケミトックスでは、PVモジュールで発生するPID(電圧誘起出力低下)現象の実証実験結果を公開。封止材のエチレン酢酸ビニル共重合樹脂(EVA)ではPIDへの効果について大きな隔たりがあることを確認している。そのほか、PVに使用するプラスチック材料の評価を行うなど、バックシートや封止材、コネクターといった各種高分子材料の特性要求を開示し、需要家の開発体制に貢献する。
 一方、電気自動車(EV)や定置型蓄電用途として拡大が期待されるLiBでは、さらなる安全性の確立が普及に向けての最大のカギを握る。第三者安全科学機関のULジャパンでは、独自のフォルト・ツリー解析法を適用したインデンテーション・インデュースト内部短絡試験を提供中。同試験は、LiBセルに局地的なくぼみをつけることで、セルの内部短絡を誘発。表面温度や開回路電圧などを測定し、セル性能を評価している。
 「内部短絡によりLiBから排出した揮発性物質は火災の恐れがある」と同社。同試験の提供で、LiBメーカーの安全性確立に寄与する考えを示す。また、三井化学分析センターでも正極、負極、電解液、セパレーターの分析サービスを提供中。構造解析や組成分析・材料物質試験などを行い、LiBメーカーの開発を支援している。


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