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2013年10月18日 前へ 前へ次へ 次へ

建築材料の技術革新で省エネ強化を

 エネルギーの供給側では、原子力発電の再稼働問題とともに再生可能エネルギーを含めたベストミックスを探る動きが活発化しているが、需要サイドでもより一層の省エネが不可欠だ。こうしたなかで、「エネルギーの使用の合理化に関する法律」(省エネ法)が改正され、建築材料の省エネ対策が強化されることになった。材料革新を促しエネルギー消費低減へ向けた取り組みを期待したい。
 省エネ法の一部改正案は、今年5月末に成立した。省エネ法の狙いは、ここにきて増加基調にある業務や家庭など民生部門の省エネ対策、電力ピーク対策を強化することにある。
 原発事故を契機に、エネルギー需給の早期安定化が求められているなかで、創電・配電・蓄電の効率的なエネルギーシステムを構築する重要性が増している。夏季および冬季の電力ピーク対策を円滑化するためにも、需要側の継続的な省エネは欠かせない。
 今回の省エネ法改正のポイントは二つある。一つは省エネ強化策の一環として、建築材料を取り上げたことだ。具体的には、これまでエネルギーを消費するエアコンや照明、冷蔵庫、ヒートポンプ給湯器など機械器具が対象とされていた「トップランナー制度」に、新たにエネルギーの消費効率の向上につながる製品を加えた。窓や断熱材料などが主な対象となる。
 トップランナー制度はエネルギー消費関連機器の製造・輸入業者に対し、3-年先に設定される目標年度において高い省エネ基準(トップランナー基準)を満たすことを求めるもので、その達成状況を国から確認されることになる。
 住宅用断熱材料では、押出発泡やビーズ法のポリスチレンフォームや硬質ウレタンフォーム、フェノールフォームなどの有機材料のほか、グラスウールやロックウールなどの無機系、セルロースファイバー、断熱ボードなどの木質系製品が市場に出回っている。今後、有機系のフォーム製品を中心とした技術革新を通じた住宅・建築物の断熱性能の向上が焦点になる。
 二つ目は、需要家が蓄電池やエネルギー管理システム(BEMS、HEMS)や自家発電を活用することで電力需要ピーク時に系統電力の使用を低減した場合、「プラス評価」を行う。省エネ法の努力目標の算出方法を見直すものだ。
 政府は早期にエネルギー供給側の中長期のシナリオを策定すべきだが、今回の省エネ法改正を機に「省エネ先進国」への歩みを強めるべきだろう。今後、復興を含めた建築需要の拡大が見込まれるなか、材料による省エネ革新を期待したい。


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