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再生医療の基盤整備・産業支援を急げ
再生医療推進法の成立を機に、これまで難しかった疾患の治癒という医療面での大きなインパクトとともに、グローバルな「再生医療産業」育成の展望が拓こうとしている。この背景にあるのは、これまで縦割り行政の弊害が指摘されていた省庁間の連携と、関連法の改正による世界でも先進的な制度への転換だ。10月半ばに召集予定の臨時国会で、再生医療の実用化を促す薬事法改正案などの成立が見込まれている。世界に後れをとってきた再生医療の推進に弾みがつくことになる。
日本は、iPS細胞を中心とした基礎研究では世界でも先導的だが、再生医療製品の実用化では後塵を拝しているのが実情だ。昨年末時点でみると、欧州では20品目が実用化、42件が治験中、韓国がそれぞれ14件と31件と先行しているが、ここにきて米国では88品目が治験中(9件実用化)と急増している。日本は2品目の実用化(治験中4件)にとどまっている。ほとんどが、組織再生に利用される間葉性幹細胞だ。
今回の推進法にともなう制度改革のポイントは2点に集約される。まず、再生医療はこれまで、医師法・医療法で細胞や組織の採取・加工・検査・移植まですべて医師や医療機関が担っていたため効率の悪さがコスト高につながっていた。新法では、医師から外部の細胞加工事業者に委託することが可能になる。事業者は適切な施設基準、品質保証の許可を得ることで、受託事業を開始することができ、再生医療の裾野を拡大する画期的な仕組みだ。
一方、薬事法の改正では、医薬品や医療機器とは異なる「再生医療製品」として、安全性の確認と有効性を前提とする早期承認制度の導入が予定されている。ここでは、製品の特性を反映した安全性の基準整備が進むことになる。
安全性の確保については、iPS細胞などの高リスク群、幹細胞による美容向けなどの中リスク群、そしてリンパ球の培養などの低リスク群に分け、それぞれのリスクに応じた手続きの整備が図られることになる。
こうした制度改革で、細胞培養の大幅なコスト削減と患者負担の削減が実現することになる。さらに前臨床、治験、承認申請など事業化までの期間も大幅に短縮される見通しだ。ちなみに、日本初の再生医療製品は事業化までに10年要している。
再生医療の拡大は、培養事業や培地・試薬、培養装置、検査機器、凍結保存容器など関連産業の発展も促す。日本にとって、今後、グローバルに展開する先端産業として育成を図る戦略的な意味合いも大きくなっていきそうだ。