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望みたい樹脂加工業界の力強い復活
樹脂加工業界が苦戦を強いられている。昨秋以降、粗原料ナフサ価格が右肩上がりで高騰しているのに加え、「アベノミクス」による急激な円安が原料コストをさらに押し上げている。さらに電力コスト上昇の影響も無視できない。最近ではシリア情勢の緊迫で、先行きが一層見えづらくなっている。これに消費税増税が正式に決まれば、中小企業が多いだけに、ダメージを負うことになるだろう。
樹脂加工は食品や土木・建設、自動車や電機製品など幅広い分野にポリエチレンなど石油化学製品をフィルムや容器などの成形品に加工して供給している。石油化学業界と最終製品企業の間にあって消費者に見えずらい業種で、正しく理解されないことも多い。
一方で顧客によって、それぞれ使用する機械や環境は異なり、オーダーに合わせて繊細かつ精緻に作り込むなど、付加価値の高い分野も多い。代表的製品であるフィルムは、薄膜にも関わらず多層化を可能とし、日本のモノ作りの一旦を担ってきた業界である。
ただ、長年のパワーバランスからコスト削減の影響が集中しやすい領域であり、これまでのデフレ経済による価格競争で体力を消耗してきた。ところが昨年暮れからのナフサの国際価格高騰に加え、円安進行で経営を圧迫している。とくにメインユーザーである食品業界では依然、デフレ環境が続き、値下げ競争が熾烈化している。原料高騰によるコストアップを製品価格への転嫁に取り組んでいるが、理解はされても受け入れは容易ではないようだ。
この状況が長期化すれば、事業継続ができない企業も続出する。フィルムなどの技術は海外流出が避けられず、流出しないまでもひっそりと消えてしまうかもしれない。成熟産業で規模も小さい企業が多いとはいえ、急場しのぎでなく国の経済を支えているという視点での政策が求められよう。今回、2020年に東京で夏季五輪開催が決まり、強い日本復権を願う機運も高まっている。国としては泥臭くても日本のお家芸をしっかりと守る責任があるはずだ。
一方で、樹脂加工業界もいつまでも受け身ではなく、樹脂特性とプラスチック製品の両方の知見を生かす取り組みも必要だろう。石化業界とユーザーを結び付ける知見も駆使して、いまこそ付加価値産業、"平成の匠"であることを目指し、これまで以上に情報発信が求められる。グローバル化の時代、すべてを「メイドインジャパン」で供給することは難しいにしても、蓄積した技術を活用した「メイドバイジャパン」でもよいだろう。樹脂加工業界の力強い復活を期待したい。