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【連載 上】 7%成長時代の中国
設備過剰が企業収益圧迫
投資主導モデルに限界
中国の第2四半期(4〜6月)国内総生産(GDP)は、前年同期比7・5%増と5四半期連続で8%を割り込んだ。国家統計局幹部をはじめ政府関係者は第2四半期の成長率について「合理的な範囲にある」と口を揃えるものの、経済がスローダウンしていることは確か。広範な製造業で設備過剰も顕在化している。日系企業は昨年、日中関係の悪化から苦戦を余儀なくされたものの、内陸部の開拓などで持続的な成長を目指している。(上海支局=白石孝祐)
13年上半期の中国のGDP成長率は7・6%増となり、昨年来の基調を継承した格好。第2四半期の伸び率7・5%増は、中国政府の通年目標に並ぶ水準に減速している。国際通貨基金(IMF)は、7月上旬に発表した世界経済見通しで中国の13年成長率を4月時点での予測から0・3ポイント引き下げ、7・8%増に下方修正した。7月下旬の国務院常務会議では足元の経済成長は妥当な水準にあるとしつつ、零細企業の営業税減免、手続きの簡素化、諸費用減免をはじめとする貿易支援といった景気対策を打ち出している。
経済成長がスローダウンするなか、製造業では広範な品目で設備過剰が顕在化している。設備過剰は競争の激化と市況低迷を招き企業収益を圧迫している。化学工業では以前から指摘されるメタノール、カ性ソーダ、塩化ビニル樹脂、カーバイドのほか、新増設ラッシュを迎えている高純度テレフタル酸(PTA)やアクリル酸、酢酸でも設備過剰が課題となってきた。
中国に特異的ともいえるのが「競合他社と品質面でも同様な製品で規模を拡大する傾向」(中国石油・化学工業連合会)だ。これが設備投資を競い合う状況が生まれやすい素地となっている。足元の利幅を当て込んだ新規参入が広範な品目で行われるのも中国の特徴といえる。
例えば、カ性ソーダは年間生産量が05年の1234万トンから12年には2699万トンとほぼ倍増した。この間、平均稼働率はほぼ一貫して低下し、08年以降は80%を下回っている。
これまでのように投資を牽引役とする成長モデルは限界に差し掛かっているといえる。中国政府も第12次5カ年計画に入って、内需喚起を一大テーマとして多様な方策を進めている。併せて設備過剰が著しい製品については許認可だけでなく環境影響評価、金融などさまざまな角度から新規投資の締め付けを一段と強化し始めた。
こうした動きを日系企業はどう受け止めているのか。「(成長が)鈍化したとはいえ1ケタ台後半の成長を維持する巨大市場は他にない」(日系商社)との声にあるように、内需開拓の余地はまだ大きいとみているようだ。大型液晶パネル、自動車といった成長産業も日系企業の技術力を生かせる領域となっている。