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2013年04月30日 前へ 前へ次へ 次へ

重要性増すSCの双方向情報伝達網

 欧州化学品規制(REACH)コンプライアンスはまだまだ終わっていないようだ。EUの輸入者が輸入する化学物質の登録状況を把握できておらず、"No Data,No Market"が原則のREACH規則の違反スレスレにあるという。サプライチェーン(SC)を通じた情報伝達の難しさに起因するものだが、日本企業の商流全体に打撃を与えかねない。
 REACHは、EUに年間1トン以上輸入される化学物質の登録を義務付けている。調剤(混合物)は、調剤を構成する化学物質ごとの登録が必要。組成を知らない輸入者が登録を行うことは実質的に不可能で、域外の化学物質製造者はOR(唯一の代理人)を立てて、化学物質を登録(予備登録)している。
 この場合、輸入者はORの川下事業者と位置づけられる。登録義務から解消されるが、義務の移行にはORと輸入者との間で何らかの契約が必要。ORと輸入者が認知できるように製造者は輸入者にOR任命を通知するとともに、輸入情報を入手してORに知らせる必要がある。
 間接輸出の場合、製造者と輸入者の相互情報伝達はSCを介して行われる。ただ、製造者が数あるSCのなかで輸入者を特定することは難しく、特定できたとしても登録をカバーできるのは調剤を構成する一部の化学物質のみ。構成物質をもれなくカバーするには輸入者を起点とする情報伝達が望ましいが、これが難しいようだ。
 組成情報や輸入情報は一般的に企業機密(CBI)に当たり、下手に詳細情報を伝達すれば競争法(独禁法)に抵触する恐れもある。製品ごとに秘密保持契約を結ぶのも手間がかかり、情報を仲介する川中企業の負担も大きい。必要と分かっていても情報が開示されないケースが多い。
 日本化学品輸出入協会は、双方向情報伝達のための情報書式「OR2IS」の普及に努めている。ポイントは、開示できない組成情報は求めずOR名、登録(予備登録)番号、輸入者名、輸入数量など最低限必要な情報のみを記載するようにしたこと。情報を暗号化し必要とするものだけが開錠する仕組みのため、CBIに配慮した情報伝達が可能となる。
 登録情報を知らずに輸入を続けていることの問題を認識していない輸入者もあるという。法的責任もさることながら、万が一、未登録物質が含まれていれば、SC上の全事業者が影響を受ける可能性もある。まず、製造者と輸出者が連携して国内SCでの相互情報伝達網を整備するとともに、輸入者に対し情報伝達の重要性を訴えていく必要がありそうだ。


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