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グローバルエネルギー賞 LiB開発者 旭化成・吉野彰氏
日本で真のオリジナル技術を
リチウムイオン2次電池(LiB)の開発者である旭化成の吉野彰氏(吉野研究室室長・旭化成フェロー)がロシアの「グローバルエネルギー賞」を受賞した。核融合技術などと並んでLiBの革新性が評価された。精力的に次世代の電池技術の開発に取り組む吉野氏に受賞の感想や研究開発のあり方などを聞いた。
※システム全体の研究が必要に※
- 受賞は予想されてましたか
「数週間前、エネルギー関係の専門家同士の電話会議を18日にやるので準備しておいて欲しいとのメールがロシアから入った。そのときは意味が分からなかった。当日はいわき市(福島県)で講演をしていて、それが終わった午後5時過ぎに受賞が分かった。偶然のタイミングだ。講演後の懇親会は祝賀会になった。いわき市にはLiB関連企業が多く、地元に元気が出る受賞になったと思う」
- 受賞の感想は
「電池は全人類にとって必要な技術。これからも地道に研究を続けていかなければならない。LiBの用途はどんどん広がっているし、今後はLiBだけではなく周辺機器を含めたシステム全体を研究する必要があるだろう。課題は何かをみつけることだ。LiB自体ではなく、接続した装置のネジ1本に不具合があるかもしれない。川上と川下の両方から研究する必要がある」
※競争力強化へ研究開発特区を※
- 日本における研究開発のあり方をどう思われますか。
「真にオリジナルの技術を開発することが大切だろう。半導体や太陽電池にしても真に日本のオリジナル技術かといえば答えはノーだ。ものまねの技術では尊敬されないし、他にまねされてしまう。オリジナルであればまねされたとしてもロイヤルティーなどのリターンがある。二番煎じ、三番煎じをやっていては韓国や中国に勝てない。だが残念ながら、日本は企業もオリジナルを重要視していない。大学でも法人になって新規テーマの予算がとりにくくなった。すでに形がみえているテーマには予算をつけやすいが、新規テーマでは信用を得にくい。これに対して欧米では軍が最先端の技術に積極的に取り組み、その成果を民間に反映する仕組みができている」
「コンプライアンス問題もある。かつて企業の研究者は実験施設を自由に使え、公にしにくいアングラ的な活動が大きな成果につながることもあった。しかし、施設利用に上司の許可が必要だったり、残業制限がうるさくなってくると研究がしづらくなる」
- では、どうすればいいでしょうか
「日本の競争力を高めるためにも政府には『研究開発特区』制度の創設を望みたい。日本にはオリジナル技術を開発するだけのベースはあると思う。経済再生のためにもグローバルに通用する研究開発環境が必要だろう」
(聞き手=広木功)
▽グローバルエネルギー賞 2002年にロシアでエネルギー科学分野における優れた業績と革新的な技術を対象に創設された。授賞式典は6月、プーチン大統領も出席してサンクトペテルブルクで行われる。日本人の受賞は06年の吉川充二氏(旧日本原子力研究所理事長)に次いで2人目。吉野氏はロシア科学アカデミーの化学物理学者とともに受賞しており、賞金総額は120万ドル。
(了)