2013年2月の記事を読む
2013年1月の記事を読む
2012年12月の記事を読む
2012年11月の記事を読む
2012年10月の記事を読む
2012年9月の記事を読む
2012年8月の記事を読む
2012年7月の記事を読む
2012年6月の記事を読む
2012年5月の記事を読む
2012年4月の記事を読む
2012年3月の記事を読む
2012年2月の記事を読む
2012年1月の記事を読む
2011年12月の記事を読む
2011年11月の記事を読む
2011年10月の記事を読む
2011年9月の記事を読む
2011年8月の記事を読む
2011年7月の記事を読む
2011年6月の記事を読む
2011年5月の記事を読む
2011年4月の記事を読む
2011年3月の記事を読む
2011年2月の記事を読む
2011年1月の記事を読む
2010年12月の記事を読む
バイオマス由来化学品 セルロース利用技術前進
東レ 膜利用し不純物除去
ダイセルポリマー ABS並み樹脂開発
バイオマスを原料にケミカル製品を生産するための技術開発が活発になっている。こうしたなか、トウモロコシやサトウキビに替えて食物と競合しない非可食原料を出発点とする製品開発が求められている。その本命ともいえるセルロース系廃棄バイオマスは世界で年間約5億トンあると推測され、「大学も企業も研究レベルではかなり開発が進んでおり、パイロットレベルにはもっていける。どのプロセスが最も最適なのかを吟味している段階」(三菱化学)にきている。
綿花や木材繊維を原料とする酢酸セルロースは古くから使われており、酢酸度に応じてさまざまな用途に使用されている。しかし、プラスチック材料としては熱可塑性に乏しく水溶性であるものが多く、形態や用途が制限されてしまう。
セルロース系バイオマスはセルロースとリグニンが強固に結合した構造となっている。このため、酸やアルカリ、熱などを用いて粗分解する前処理を行い、酵素を用いて糖化する。この前処理工程においてセルロースやリグニンを分解し切れず固形分が多くなってしまうことや、副生する酢酸や芳香族化合物などの不純物が次の発酵工程で微生物の生育を阻害し各種化学品への変換効率を低下させることが課題となっている。また、セルロースの糖化に用いる酵素(セルラーゼ)が高価で、使用量も多いことから糖化酵素のコスト削減も求められている。
こうした課題を解決するため、東レは「膜利用バイオプロセス」の開発を進めている。水処理用分離膜技術とバイオ技術を融合させたもので、糖化、発酵、精製(濃縮)のプロセスに水処理用分離膜を使用する。糖化の段階でMF膜(精密ろ過膜)、UF膜(限外ろ過膜)、RO膜(逆浸透膜)を使い糖を精製・濃縮する。同工程では酵素も回収できるため、不純物の少ない糖液を得ることができる。発酵ではMF膜を、精製ではNF膜(ナノフィルトレーション膜)とRO膜を用いる。NF膜で不純物を除去し、RO膜で物質を濃縮する。
長期連続発酵と発酵速度の向上により、既存方法に対して発酵効率を飛躍的に高めるとともに、不純物の除去および濃縮プロセスによって精製エネルギー節減を実現している。先端融合研究所(神奈川県鎌倉市)のベンチプラントでプロセスを確立しており、実用化を目指しスケールアップを進めていく。
ダイセルポリマーは、セルロースを酢酸エステル化した酢酸セルロースを使用した新規バイオプラスチック「セルブレンECシリーズ」(写真・加工品)を開発した。植物由来成分は重量ベースで40〜50%。長期保存にともなう可塑剤の揮発による寸法変化や変形の問題を新規可塑剤の採用や添加剤の処方配合、コンパウンド技術で改善した。成形材料として良好な機械強度を有し、汎用のアクリロニトリルブタジエンスチレン(ABS)樹脂に近い特性を有する。三菱化学も2025年をめどにセルロース由来品の投入を目指しており、「すでに技術はでき上がりつつある」(同社)という。