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2013年01月30日 前へ 前へ次へ 次へ

東アジアのクラッカー 定修スキップ相次ぐ

潜在的な需給緩和要因
中国の需要回復がカギ

 日本・韓国・台湾のエチレンセンターが今年は揃って定修スキップ年となり、東アジアの石油化学の需給バランスに影響を与えることが予想されている。中国を中心に需要の回復が進めば高稼働率を維持できるが、そうでなければ常に潜在的な需給緩和要因になる可能性がある。とくに年の前半はまったく定修が予定されておらず、低稼働率が常態化している国内のナフサクラッカーにとっては厳しい状況が続くことになりそうだ。

※昨年に比べ大幅減※
 日本では全15系列のエチレン設備のうち、三菱化学・鹿島2号、同・水島、三井化学・千葉の3基が生産停止をともなう定修を実施。8基だった昨年に比べて大幅に減少する。
 韓国はSK・蔚山1号が予定されているだけで、他の10基はすべてスキップ。しかも実施するSK1号機も年産能力16万トンの小規模設備であるため、ほとんど定修による生産減がない。
 また、全部で6基ある台湾で定修を予定しているのは中国石油(CPC)4号と台湾プラスチックス(FPC)2号だけ。加えてCPCは昨年に停止した年23万トンの3号の代わりに7月には停止中の同70万トンの6号を稼働するため実質能力が拡大する。
 日本の定修は5月からを予定している三菱化学・水島を皮切りにして、年央の三井化学・千葉が続き、残りはすべて秋から年末にかけてとなる。昨年の前半は定修やトラブルなどでアジアの石化需給は引き締まったが、今年はこれがまったく期待できない。

台湾プラスチックスー麦寮[1].jpg※韓・台は高稼働率※
 足元では韓国や台湾のナフサクラッカーは高稼働体制に入っている。ベンゼンなど芳香族製品の手取りが好転しているため、クラッカーの採算性が上がってきているのが要因。ここ数か月間は低迷していたブタジエンの市況も上がっているほか、エチレンの採算性も回復していることから両国での生産意欲は高まっているとされる。
 ただ、低調となっている中国の需要動向に大きな変化はみられない。2月中盤の旧正月明けからの需要に市場の期待感は高まっているが、休み明けも実需の大きな回復はみられないとする関係者は少なくない。需要動向に変わりがなく定修も予定されていないなかで高稼働が続けば、需給緩和と減産実施につながる可能性がある。
 国内のクラッカーは昨年12月まで15カ月連続で80%台前半の低稼働が続いている。今年は円安によって輸入品の減少、一部製品の輸出増が見込まれ需要増が期待されているが、定修スキップにより国内外の供給力が高まることで、稼働率の大幅な向上にはつながらないとみる見方が多い。
【写真説明】東アジアでは定修をスキップするエチレンセンターが多く、昨年より供給力が高まる可能性がある(台湾プラスチックの麦寮コンプレックス)


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