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2012年09月14日
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IHI 斎藤保氏
技術磨き一層の高度化
▽ 社長就任の打診を受けたときの感想は。
「正直にいって最初はびっくりした。そうはいっても、これも天命だと思い受けた次第だ。私は入社以来、航空機エンジンを担当し航空宇宙事業本部長を務めるなど、主にエンジン関係の仕事に携わってきた。直近の3年間はものづくり改革、調達管理、新事業など全社的な視点が必要な組織をみてきたが、結果的にこれが助走期間になったと考えている」
▽ 中期経営計画が総仕上げの年に入っています。
「現中計の『グループ経営2010』は最終年度を迎えているが、分野によって進捗状況が異なるためどう評価するか判断は分かれる。この3年間で超円高や欧州債務危機など前提条件が変わった。外部環境の責任にする気はないが、目標の売上高1兆4000億円、経常利益600億円の達成は難しい。新しい目標数字を含め今秋には次期中計を発表する予定だ」
▽ 造船新会社が発足します。
「月にJFEホールディングス傘下のユニバーサル造船と当社造船子会社によるジャパン マリンユナイテッドがスタートする。統合を機に経営効率を上げ、厳しい市場環境での競争力を確保する。これにより資材費の節約や船種による生産拠点の最適化を図り事業基盤を固める」
▽ 回転・量産機械が好調です。
「圧縮機事業では新興国や資源国の市場が順調に成長し、とくに中国の伸びが著しい。当社は汎用ターボ圧縮機で中国トップシェアを握るが、現地工場で能力を倍増し旺盛なニーズに応える。自動車用ターボチャージャー事業は世界4カ国に製造拠点を保有する。燃料高騰による低燃費車ブームを背景に、各国で増産投資を実施し事業規模のさらなる拡大を狙う」
▽ 各事業の戦略は。
「航空・宇宙事業の航空機エンジンは中型機を中心に着実な伸びが見込まれる。新規事業ではバイオマス発電、洋上風力発電、海流発電などの再生可能エネルギー、リチウムイオン2次電池などを展開中だ。しかし、液化天然ガス(LNG)など化石燃料や自然エネルギー分野は原子力発電のベースロードが決まらないと次の展開が読みにくい。LNGタンク事業は市場拡大が予測される半面、新興国で受注競争が激化、当社は差別化技術で顧客の評価を得たい」
▽ グローバル調達を拡大しています。
「超円高のもと、シンガポール拠点にエンジニアを派遣し調達機能を充実させている。同国には各国から最新情報が集まる。コスト削減にとどまらず設計変更を含め、調達の意識改革を促すためにはエンジニアの派遣が不可欠だと判断した」
▽ アフターサービス分野を重視しています。
「従来のプラント建設に加え、メンテナンスなどアフターサービス分野を含めた息の長いビジネスを展開していく。しかし、単にメンテナンス子会社を各地につくることが目的ではない。顧客への技術サービスを通じて互いの技術を磨き製品の一層の高度化を進めることが真の狙いだ」
(聞き手=堀口昇)
【横顔】
航空機エンジン製造の相馬工場では建設工事から携わった。ものづくりとマネジメントの両面を経験し経営者の基礎を築く。相馬工場は東日本大震災で被災したが、本社との連絡バスで奔走し2カ月で復旧を果たした。趣味は読書と散歩。年300冊を読破し、松尾芭蕉の「奥の細道」を実際に歩くなど歴史への造詣も深い。
略歴
〔さいとう・たもつ〕1975年(昭和50年)東京大学工学部卒、石川島播磨重工業(現IHI)入社。08年執行役員航空宇宙事業本部長、同年取締役兼執行役員航空宇宙事業本部長、09年取締役常務執行役員航空宇宙事業事業本部長、11年4月副社長、12年4月社長就任。山形県出身、60歳。